アップルの新型MacBookファミリーに共通するもの:元麻布春男のWatchTower(2/2 ページ)
アップルのMacBookシリーズがフルモデルチェンジを果たした。さまざまな部分で共通点を持つ新ファミリーの特徴をまとめた。
一番の進化はボリュームゾーンのMacBook
いずれにしても、前ページで挙げた4と5については実物を見て、触れてみないことには、その善しあしはよく分からない(本稿執筆時点で、筆者はまだ実物に触れていない)。細かな部分の変化としては、MacBook Airに続きMacBookからもFireWireポートがなくなった。MacBook Proには残されているとはいえ、FireWireのサポートが縮小していくのは避けられないようだ。
今回発表された3ラインのMacBookシリーズで、やはり一番進化した印象が強いのはMacBookだ。金属ボディ採用による軽量化、グラフィックス性能の向上、トラックパッドの大型化など、モデルチェンジによる恩恵が最も顕著である。一番数が売れる、ボリュームの出る製品が、最も恩恵を受けるというのは、ごく当たり前のことだが、MacBookとMacBook Proの差はいよいよ小さくなりつつある。
ただ、新ボディのMacBookで従来のMacBookすべてを置き換えるのはコスト的に難しかったようで、ローエンドモデルにポリカーボネートボディの従来モデル(白)が1機種だけ残されている。米国で1000ドルを切るこのモデル(日本では11万4800円)は、初めてMacを買うユーザーの呼び水になっているようで、そのまま残された。ただ、わが国での販売価格は、このところの円高を反映して1万5000円ほど値下げされており、従来以上にお得になっている(それでも筆者なら新しいアルミニウムボディの新型MacBookを買いたいと思うが)。
一方、一部でウワサされていた低価格の携帯型Mac(NetBookをもじってNetMacなどと呼ばれる)は今回発表にならなかった。まだこの市場(低価格モバイル機)は未成熟で、もう少し動向を見極めたいというところなのだろう。もちろん、不透明な景気の動向も気になるところだ。
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