3-way SLI対応の「Eclipse Plus」で、“くりくりっ”とクロックを変更する:イマドキのイタモノ(3/3 ページ)
Intel X58 ExpressはNVIDIA SLIにも対応する。ただし、“3-way”となるとちょっと小技が必要だ。その小技に対応したマザーボードの実力を試してみた。
2-Way SLIではわずかに負けるが、3-way SLIなら本領発揮
Eclipse Plusの存在意義は、nForce 200を実装することで向上した、グラフィックスカード3枚で構成する3-way SLIのパフォーマンスにある。そこで今回は、Eclipse SLIとEclipse Plusで、通常の2枚構成のNVIDIA SLIに加えて3-way SLI構成でも測定したベンチマークテストの結果を比較してみた。nForce 200を搭載したことで、2-way SLIにおけるパフォーマンスにどう影響し、3-way SLIでどのくらいパフォーマンスが向上するのかがポイントとなる。
今回のベンチマークテスト測定では、メモリにOCZ TechnologyのDDR3メモリ「OCZ3P1600LV6GK」を使用した。このメモリは、Core i7シリーズとIntel X58 Expressチップセットのシステムに最適化された製品パッケージで、2Gバイトメモリモジュールを3枚同梱している。Eclipse Plusに2Gバイトを3枚装着し、BIOSのデフォルトで設定される1066MHz動作でテストを行っている。
使用したグラフィックスカードは、GeForce GTX 285を搭載するMSIの「N285GTX T201G」を用いた。NVIDIA SLI構成における効率も検証するために、1枚構成の測定結果と2枚構成の測定結果を比較している。なお、グラフィックスドライバは、NVIDIAのWebページで配布されている最新バージョンの185.85を適用した。SLI構成、1枚構成とも、PhysXは無効にしている。
3DMark06では、解像度設定を「1280×1024ドット」、「1600×1200ドット」、「1920×1200ドット」の3パターンで切り替え、それぞれの解像度で負荷条件を変えるために「アンチエイリアシング=なし、テクスチャフィルタリング=Trilinear」と、「アンチエイリアシング=4サンプル、テクスチャフィルタリング=Anisotropic x8モード」に設定している。3DMark Vantageでは、プリセットされている
「Extreme」「High」「Performance」の3モードで測定を行い、「Enemy Territory-QUAKE Wars」のテストは、描画オプションを最も重たい状態に設定したうえで、解像度を1980×1200ドット、1600×1200ドット、1280×1024ドットで変更しながら、オリジナルバッチデータを実行して、平均フレームレートを測定した。
性能の“絶対値”を重視するならPlusでいこう!
グラフィックスカードが1枚のときと2-way SLIの構成では、3DMark06の結果にEclipse SLIとEclipse Plusで大きな差はないものの、それでも、Eclipse Plusのスコアがわずかに低いことが確認できる。この傾向は、「Enemy Territory-QUAKE Wars」のスコアでも同様で、全体的にEclipse Plusの結果が低い。3DMark Vantageではほぼ同じスコアとなっているが、少なくとも1枚、もしくは2-way SLIの構成でnForce 200の恩恵は感じられない。
しかし、グラフィックスカードを3枚にした3-way SLIの結果を見ると、PCMark05を除くすべてのベンチマークテストでEclipse Plusの結果がEclipse SLIを超えている。その差はそれほど大きいとはいえないものの、確実に向上しているのは確かだ。
Eclipse SLIの3-way SLI動作では、グラフィックスカードが接続しているレーンが16+16+4という構成になる。これが、Eclipse Plusでは、レーン構成が16+16+16となってボトルネックが解消したと考えていいだろう。
Eclipse Plusに搭載されたnForce 200は、SLIを使わない場合や2way SLI構成では、3D性能において「重石」となってしまうが、3-way SLIで高い3D性能を目指すユーザーにはEclipse Plusが最適な選択肢だ。コンシューマー用としては高価であるが、それに見合った性能と機能をユーザーに与えてくれる。ハイエンドゲームPCを必要としているならば、購入して後悔することはないだろう。
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