MSIの“ボード”Nettopは大画面でドライブ内蔵──WindTop AE1900はどれだけ使いやすい?(2/2 ページ)
このところ、スタイルを重視したNettopが人気だ。“ボードのような”Eee Topに続いて、“ボードのような”MSIのAE1900が登場した。そのアドバンテージを紹介しよう。
パフォーマンスは平均点。動作音は静かだ
Atom 230とIntel 945GC ExpressというNettopでは標準的なシステム構成だ。そのパフォーマンスをベンチマークテストでチェックしてみた。使用したベンチマークテストは、「PCMark05」、「3DMark05」、「FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3」だ。測定した結果はAtom 230とIntel 945シリーズのチップセットを組み合わせたNettopと似たような値になっている(チップセットにSiSを採用した一部のモデルと比べると、グラフィックスコアの性能の違いが影響して、やや上回る結果になっている)。
ただ、統合されたグラフィックスコアがIntel GMA 950であるため、3DMark05の結果は低く、最新の3Dゲームを快適に動かすのは困難だ。やはり、Webブラウジングやテキストをメインとしたドキュメントの作成など、負荷が軽い用途がメインとなるだろう。
動作音はかなり静かだ。電源を入れて数秒はファンの音がかすかに聞こえるが、通常の動作では耳を本体にかなり近づけないと動作音が聞き取れない。静かな部屋で使っても気にならないと思われる。
PCMark05:PCMark | 1689 |
---|---|
PCMark05:CPU | 1496 |
PCMark05:Memory | 2292 |
PCMark05:Graphics | 737 |
PCMark05:HDD | 4815 |
3DMark05:3DMarks | 96 |
3DMark05:CPU | 490 |
FF XI Bench3:High | 1045 |
FF XI Bench3:Low | 1478 |
初心者に「使ってもらう」のにもちょうどいい
2009年7月上旬現在、AE1900の実売価格は6万円前後〜7万円台前半といったところだ(+D Shoppingで調べたAE1900の価格はこちらを参照)。10.1型ワイド液晶ディスプレイを搭載したNetbookより高いものの、購入しやすい価格帯であることは間違いない。Netbookと違って持ち歩くことはできないが、1366×768ドット表示が可能な18.5型ワイド液晶ディスプレイは広々としていて使いやすく、タッチパネルを利用した操作で初心者にも手軽に使ってもらえる。動作音も静かで、みんなが寝静まったリビングでも邪魔にならない。
AE1900のパフォーマンスは強力とはいえず、拡張性も限られている。3Dゲームのような常にその時代の最高性能を必要とする用途には確かに向かない。しかし、リビングなどに置いてちょっとしたWebブラウジング、メールチェック、あるいはデジタルフォトフレーム的に静止画を表示したりする用途には十分耐えられる。指で操作できる特徴を生かして、初心者にも使える家庭用PCとして最適なマシンといえる。
高価なデスクトップPCでは使いこなせなかったときの失望感が大きいし、安価なNetbookは液晶ディスプレイが小さくて使いにくいと感じるユーザーも少なからずいると聞く。画面サイズが大きいAE1900であれば、表示は大きくて見やすい。
性能に制約があるNettopではあるが、ユーザーの用途を見極めたうえで、「みんなが使うPC」としてぜひ使ったもらいたい。
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