P55&Core i7搭載マシンで仮想8コアを楽しむ――ツートップ「VIP」シリーズ:Windows 7登場前に買うべきPCは?(3/3 ページ)
ツートップのBTOパソコン「VIP」シリーズに、Intel P55 Express採用モデルが追加された。”Lynnfield”ことCore i7とGeForce GTS 250を搭載しながら、標準で10万円を切る価格が魅力だ。
基本性能は十分満足! もちろんWindows 7 RCも軽快に動作
さて、これまでVIP i7860P55/GTS250の詳細を見てきた。拡張カードの部分に若干の問題を抱えているものの、現状であれば必要なのは地デジ対応のTVチューナーカードくらいなので、残っているPCI Express x1スロットをそれに当てBDドライブを搭載してBDタイトル観賞までは十分にフォローすることが可能だろう。
そもそもVIP i7860P55/GTS250の位置付けは、オーソドックスなスタンダードモデルであり、3Dバリバリのハイエンドゲームマシンというわけではない。満足できる基本性能を押さえつつ、長く使い続けることが可能なモデルという位置にあると考えればいいだろう。
それでも最新のP55チップセットとCore i7、それに性能的にも十分なGeForce GTS 250搭載グラフィックスカードの組み合わせである。標準でインストールされているOSはWindows Vista Home Premium(SP1)だが、Windows Vistaのエクスペリエンスインデックスの結果はオール5.9と十分だ。またRC版のWindows 7 Ultimate(32ビット)をインストールしてみたが、Windows 7のエクスペリエンスインデックスもHDDが最低スコアの5.9で、CPUやメモリ、グラフィックス性能は、それ以上のスコアとなった。実際の操作感もサクサクと軽快に動いており、そのままWindows 7に乗り換えてもまったく問題はないはずだ。
そこでプリインストールのWindows Vista Home Premium(SP1)とRC版のWindows 7 Ultimate(32ビット)でベンチマークを行い違いをチェックした。行ったテストはPCMark05と3DMark06(1280×1024/1600×1200ドット)、3DMark Vantage 1.0.1(CPU/Graphics)とFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3である。
なお各種ドライバ類に関しては、Windows Vistaの場合はプリインストール状態でWindows 7には、OSが持つ標準ドライバとWindows 7対応のチップセット情報(infファイル)、GeForce GTS 250用のWindows 7対応のION Driver Release 190(190.62)を導入して計測した。
結果はグラフにした通りだが、PCmark05でのCPU ScoreはWindows VistaもWindows 7もともに1万の大台を越えており、Core i7の面目躍如といったところだ。またMemory Scoreも1万オーバーでP55のメモリアクセス性能が十分に発揮されていることが分かる。ただし、グラフィックスのスコア(Graphics Score)がVistaと比べると大幅に落ち込んでしまっている。これはFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3でも同様の傾向が見られたので、おそらくDirectX 9に関連した部分でWindows 7用対応ドライバのチューニングがあまりうまく進んでいないためだと思われる。
次に3DMark06の結果を見てみよう。こちらはPCMark05とFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3の結果とは逆で、Windows 7のほうが若干だがパフォーマンスがアップしている。もちろん計測誤差の範囲内と見ることもできるがDirectX 10専用ベンチである3DMark Vantage 1.0.1を見るとCPU Score/Graphics ScoreともにWindows 7のほうが高い数値となっているので、Windows 7ではDirectX 9よりDirectX 10に合ったチューニングとなっているのかもしれない。これらの結果から見てもVistaからWindows 7に乗り換えたからといって急激にパフォーマンスが落ちるわけではなく、CPUやメモリアクセス性能が向上する可能性があることを示していると言える。
またFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3に関しては、Windows VistaもWindows 7もLow設定でスコア1万越えと余裕のパフォーマンスを叩き出した。Windows 7でHigh設定でのスコアの落ち込みがやや気になるものの、それでも7000超えと十分だ。これなら各種効果を有効にしたDirectX 9対応ゲームであってもWindows 7上で快適にプレイできるはずだ。
いますぐに買っておいても損はない1台
以上のように、VIP i7860P55/GTS250はいますぐに購入したとしてもスペックと性能的に不満のない製品と言える。ビジネス利用から3Dゲームまで余裕でこなせる性能を持っていることはここまで見てきたとおりで、P55とCore i7-860(2.80GHz)で自作することを考えれば高い買い物ではないだろう。
また、もうすぐWindows 7が出てくるのでそれまで待っているような人も多いと思うが、購入時のOS選択でWindows 7アップグレードクーポンを選んでおけばWindows VistaからWindows 7に無料でアップグレードできる。このアップグレードクーポンは、Windows Vista Home PremiumからはWindows 7 Home Premiumへ、Windows Vista BusinessからはWindows 7 Professionalへ、Windows Vista UltimateからはWindows 7 Ultimateへアップグレードが可能なので、利用したいエディションのアップグレードクーポンを選ぶようにしたい。もちろん、Windows 7を使ってみて気に入らなかった場合、Windows Vistaに戻すこともできる。「Windows 7の導入はしばらく様子を見てから」という人なら、標準のWindows Vista Home Premiumを選択して、そのまま使ったとしても満足度は高いはずだ。
関連キーワード
Windows 7 | Windows | CPU | Windows Vista | Core i7 | マザーボード | GeForce | Intel P55 Express | グラフィックスカード | ツートップ | BTO | Core i5 | NVIDIA | コストパフォーマンス
関連記事
- ツートップ、BTO対応デスクトップPC「VIP」シリーズをリニューアル――新ケースを採用
ツートップは、BTOカスタマイズ対応のデスクトップPC「VIP」シリーズのリニューアルを発表した。 - 「3.5GHz超えは朝飯前」――インテルがCore i5/i7&P55マザーをアピール
インテルの新型CPU発売から初の週末を迎えた9月12日に、秋葉原でユーザーイベントが実施された。天野氏によるCPU解説や、オーバークロックデモなどを目当てに多数の観衆が集まった。 - Nehalemの機能をメインストリームで──Core i7-870とCore i5-750の“突発”性能を楽しむ
“Lynnfield”こと、Core i7-870と同860、Core i5-750が9月8日にインテルから発表された。上げ幅を増やしたIntel Turbo Boostのかっとび度はいかに? - NVIDIA、“ハイエンドバリュー”な「GeForce GTS 250」を発表
NVIDIAは、ハイエンドGPUのラインアップに価格競争力を重視したモデルを追加した。搭載グラフィックスカードの価格は149ドル前後と予想される。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.