米Intelは8月19日(現地時間)、セキュリティ大手の米McAfeeを買収することで合意に達したと発表した。買収は1株当たり48ドルの現金で行われ、総額は76億8000万ドルに上る。Intelにとって過去最大規模の買収となる。取引は両社取締役会の承認を受けており、株主の同意や規制当局の承認などの条件が整い次第完了する。
この買収により、Intelはモバイルワイヤレス戦略を強化し、モバイル端末とそれらを管理するサーバやクラウドネットワークを保護するセキュリティソフトウェアをハードウェアとともにコンシューマー、企業、政府に提供できるようになるとしている。同社は安全性を、省電力と接続性に並ぶ重要なコンピューティングの要素とみているという。
McAfeeは1987年創業のカリフォルニア州サンタクララに拠点を置く公開企業。コンシューマー、企業、政府、ISP向けに、ネットを通じた攻撃を阻止し、コンプライアンスを順守するためのセキュリティソリューションを提供する。2009年の総売上高は約20億ドルで、従業員は約6100人。同社のウイルス対策ソフト「VirusScan」は、Windows、UNIX、Linux、Mac向けのほか、iPhoneやAndroidなどの携帯端末向けのものもある。同社は5月に、企業向けモバイルセキュリティ企業のTrust Digitalの買収を発表しており、スマートフォン向けセキュリティの強化を図っている。
買収完了後、IntelはMcAfeeを独立した子会社として傘下に置く。同社はIntelのソフトウェア&サービス部門の直属となる。
IntelはAtomにより、モバイルや組み込み市場でのシェア拡大に注力している。
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