さて、私もそろそろ「初めての3Dを」という人向け──3D対応「VALUESTAR L」の実力チェック:NECの3D Vision対応PC(5/5 ページ)
家庭用3Dテレビと同じフレームシーケンシャル方式を採用した3D対応PC「VALUESTAR L」は、どんな“3D体験”ができるか。PCのパフォーマンスチェックとともに、3D環境でゲームタイトルがどう楽しめるかを試した。
基本性能は高いが、3D描画性能はそこそこ
ベンチマークテスト VALUESTAR L(VL750/CS) | ||
---|---|---|
PCMarkVantage 1.0.2.0(1024×768) |
PCMark | 8182 |
TV and Movies Suites | 4886 | |
Gaming Suites | 8311 | |
Music Suites | 7226 | |
Communication Suites | 7371 | |
Productivity Suites | 7548 | |
HDD Test Suites | 4285 | |
PCMark05 | PCMarks | N/A |
CPU | 10596 | |
Memory | 11131 | |
Graphics | 8299 | |
HDD | 7059 | |
3DMark06 1.1.0 | 3DMarks | 8760 |
SM2.0 | 3384 | |
HDR/SM3.0 | 3202 | |
CPU Score | 5497 | |
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3 | HIGH | 9508 |
LOW | 10991 | |
FINAL FANTASY XIVオフィシャルベンチマーク | HIGH | 1001 |
LOW | 1981 | |
LOAD TIME | 14453 | |
ロストプラネット2ベンチマーク (DX9)/テストタイプB |
1280×720ドット フルスクリーン/HIGH |
29.9(ランクC) |
1280×720ドット フルスクリーン/MIDDLE |
33.7(ランクB) | |
1280×720ドット フルスクリーン/MIDDLE/3D Vision有効 |
17.3(ランクC) | |
※アンチエイリアスNONE、ディスプレイ周波数120Hz、垂直同期off、モーションブラーonの設定は共通。HIGHは影品質・テクスチャ品質・演出レベルがHIGH。MIDDLEは影品質・テクスチャ品質・演出レベルがMIDDLE | ||
バイオハザード5ベンチマーク(DX10)/ベンチマークテストB | 1280×720ドット/フルスクリーン | 56.5(ランクB) |
1280×720ドット/フルスクリーン/3D Vision有効 | 28.2(ランクC) | |
※ディスプレイの周波数120Hz、垂直同期OFF、フレームレート可変、アンチエイリアスオフ、モーションブラーオフ、影品質高、テクスチャ品質高、画面クオリティ高 | ||
ストリートファイター4ベンチマーク | 1920×1080ドット(高画質) | 68.91(ランクA) |
1280×720ドット(ノーマル) | 131.20(ランクA) | |
1280×720ドット(ノーマル/3DVision有効) | 44.87(ランクC) |
では、PCとしてのパフォーマンスはどのようなものだろうか。ベンチマークテストを実施してみた。
日常操作をシミュレートするPCMark05ではCPUスコアで10596とかなり優秀なスコアで。Graphics、HDDのスコアも同様に良好だ。HDコンテンツの取り扱いを前提にPCでの操作全般をシミュレートする内容のPCMarkVantageでも、総合スコア(PCMark)で8182と、とても優秀だ。スペックどおりのパフォーマンスを発揮できている。
GeForce GT 330というOEM専用で、なじみの薄いGPUを搭載しているだけに、3D描画性能も少し気になる。まずDirectX 9.0c世代の定番テストである3DMark06では総合スコア(3DMarks)は8760だった。こちらはCPUの高い性能に助けられている部分はあるものの、悪くはない値だ。 ただ、3D Visionを有効にしたゲームシーンのシミュレートテストで半分ほどまで落ち込み、総合スコアも4951と大幅に低くなってしまった。
DirectX 8.1以前の技術が利用されているFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3では、HIGHで9508、LOWで10991と好スコア。この世代の3Dゲームなら快適に楽しめるのは間違いない。一方、相当高いPCスペックが必要な最新のFINAL FANTASY XIV Official Benchmark(DirectX 9.0c以上が必須)は、LOWで1981、HIGHで1001。LOWでも「(動作が)重い」という評価であり、残念ながら快適なプレイは望めない。
ロストプラネット2(DirectX 9モード)は、デフォルトの設定(テクスチャ品質などがHIGH)ではランクCの29.9fps、少し品質設定を落とした設定でも33.7fps(ランクB)と、こちらも少し厳しそうだ。なお、3D Vision対応をうたうタイトルだが、有効にするとグラフィックの迫力は増すが、スコアは半分程度に落ち込むことにも注意したい。バイオハザード5ベンチマークは、デフォルトの設定でランクBの56.5fpsとまずまず。3D Vision有効時はやはり半分ほどのパフォーマンスに落ち込み、快適にプレイするのは厳しい印象だ。
上記の3タイトルに比べると3D描画負荷が軽いストリートファイター4ベンチマークは、1280×720ドットのノーマル設定で131.2fps(ランクA)という高スコア、1920×1080ドットの高画質設定でも68.91fps(ランクA)と十分快適にプレイできそうな結果だった一方で、3D Visionを有効にするとはノーマル設定でも44.87fps(ランクC)と3分の1近くまでパフォーマンスが落ち込んだ(ついでに、全キャラが円になっているシーンで、なぜか画面が奇妙にチラつく現象が起こった)。
最後に動作音は、アイドル時においてはごく静かな部屋でかすかにファンの風切り音が聞こえる程度で、高い負荷をかけても少しくらいなら騒音レベルはあまり変わらない。高い負荷を長くかけ続けていると少しうなるような音がしてくるが、それでもそう大きい音ではない。静粛性はまずまず優秀といえるだろう。
高画質な3D立体視が楽しめる、パーソナルな高性能PC
VALUESTAR L(VL750/CS)の想定実売価格は28万5000円前後。さすがに安価とはいえない高級マシンだ。ただ、落ち着いたトーンの外観に似合わず、Core i7-870、8Gバイトメモリ、GeForce GT 330搭載グラフィックスカード、Blu-ray Discドライブ、そしてUSB 3.0にも対応と、PCとしての基本スペックはかなりハイエンドな仕様である。120Hzリフレッシュレート対応の大型液晶ディスプレイが付属し、3D Vision対応という付加価値もあるため、この価格になってしまうのもやむを得ないところか。
もっとも、フレームシーケンシャル方式の高品質な3D立体視に対応するPCはまだ少なく、Blu-ray 3Dを再生できる環境も整っている。そう考えると、2010年9月現在の3D対応テレビやBlu-ray 3D対応Blu-ray Discプレーヤーの価格を考えればむしろ割安といえるかもしれない。現状は3D対応コンテンツがまだ少ない時期ではあるが、既存のDVD映画タイトルを3D化して見るだけでもそこそこ楽しめるし、今後はBlu-ray 3Dをはじめ、3Dコンテンツは徐々に拡充してくるはずだ。
このため、とりあえずPC向けの3D環境がワンセットになっており、かつ購入後のサポートも安心できるNEC製ということで、「はじめての3D対応PC」を導入するなら検討する価値は大いにあるだろう。なお、直販サイト「NEC Direct」では、(3D非対応モデルで)8万円台後半から購入できる「VALUESTAR G タイプL(e)」や、スペックを若干落とすことで低廉にした「VALUESTAR G タイプL(s)3Dモデル」も用意するので、こちらも合わせてチェックしてもらいたい。
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