第2回 「VAIO P」でWiMAX無双を体感する:第2世代VAIO P ロードテスト(2/2 ページ)
充実したワイヤレス通信機能は「VAIO P」が持つ大きな魅力の1つだ。今回も前回に引き続き、VAIO Pを屋外でバリバリ通信しながら使ってみる。
来たるべき対話のために、府中へ
というわけで、まずは杉並区の自宅から京王線に乗って府中まで遠征してみた。筆者にとって府中といえば競馬場だが、今回は別の用事だ。駅前にあるシネコン(TOHOシネマズ 府中)に『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』を見に来たのである。WiMAXを試すついでに映画を観たのか、映画を観るついでにWiMAXを試したのかは微妙なところだ。
映画のことは置いておいて、シネコンと同じ建物の中に入っている「スターバックス コーヒー府中くるる店」は競馬場帰りに一服、あるいは映画の上映開始までの時間つぶしなどにもちょうどよいので、これまでもちょくちょく利用する機会があった。ここで快適に使えるとうれしい。オーガニックな雰囲気の店内にビビッドなグリーンのVAIO Pは映えまくりだ。
スピードテストには今回から上り下りともに計測できる「Radish Network Speed Testing」を利用する。測定サーバーは「東京」、測定精度は「高」、データタイプは「標準」でテストした。
気になる結果は右上の通りで、下り7.299Mbps、上り3.589Mbpsだった。都内とはいえ西のほうなのでどんなものかと思っていたが、バリバリに快速である。前回利用したgooのテストでも6.03Mbpsだ。ほかの回線状況はどうかというと、b-mobileは下り193.7kbps、上り311.7kbpsで、イーモバイルは下り4.671Mbps、上り335.6kbpsだった。b-mobileはWebページを表示するにもモタつきが目立つ。
さて、筆者にとっての京王線最寄り駅(厳密には準最寄り駅だが)である笹塚駅の駅ビル(京王クラウン街笹塚)内1階にある「エクセルシオール カフェ 笹塚店」に入り、ここでも回線速度を計測してみた。当然、これも計画の範囲内だ。ここは打ち合わせなどにちょくちょく利用するが、カフェにありがちでテーブルが狭いのが少々難点。それでもコンパクトなVAIO Pならば余裕で作業できる。
Radish Network Speed Testingのテスト結果は下り6.105Mbps、上り890.3kbpsだった。上りはWiMAXのポテンシャルからすると少し遅い気がするが、下りは十分。gooのテストでも5.99Mbpsだった。ちなみにイーモバイル(DH02W)は下り4.337Mbps、上り352.5kbpsで、b-mobileは下り111kbps、上り78.83kbpsとここでも振るわなかった。筆者は我慢弱い。かなりのストレスを感じてしまう。
電車内でもかなりイケるWiMAX
府中へ行った帰りは、混雑を避けるために京王線の各駅停車で帰ってきたが、走行中の車内でもVAIO Pを使ってみた。座って使う場合でもやっぱり両手でボディを持って操作できるモバイルグリップスタイルは断然使いやすい。ヒザの上に置くと目から画面が遠すぎて見にくいし、モバイルグリップスタイルでの操作ができなければ、わざわざバッグから取り出そうとさえ思わないだろう。
走行中のWiMAX利用はあまり期待していなかったのだが、これが意外にイケた。メールチェックやWebブラウズ(ニュースサイトなど)、Twitterのログ確認などをして過ごしたが、一度つつじヶ丘駅付近で再接続がかかっただけで、府中駅から降車する明大前駅まで、ずっと繋がっていた(メールなどを読んでいる時間もあるので、途切れていたのに気づかなかった可能性はなくはない)。
右上に掲載したRadish Network Speed Testingのテスト結果は調布駅から走行中にWiMAX接続で計測した値だが、下り3Mbps以上は出ており、まったく快適である。停止駅が多く速度も緩やかな各駅停車とはいえ、ちょっと意外だった。
京王線沿線に住んでいる方ならご存知だと思うが、京王線の各駅停車は実に遅い。特急、急行の通過待ちなどで延々と待たされたりすることもあるのだが、VAIO Pであれこれ作業していると、そんなことは気にならず、あっという間だ。普段は本を読んでいることが多いが、車内でのオプションが1つ増えたのはありがたい。
最後に、筆者がたまに利用する京王線明大前駅のファミリーレストラン「ガスト杉並和泉店」での計測結果も掲載しておく。ここでもやはりWiMAXは快速だ。
こうして実際にいろいろな場所でVAIO P標準搭載のWiMAXを試してみると、イメージ通りの部分とそうでない部分があることが分かった。WiMAXの速さはイメージ通りだ。下りの速度は結構ムラがあるようで、計測するたびにかなり上下する。ただ、8Mbpsから5Mbpsの間でスピードが変動するとか、そういうレベルなので、実用上は何ら問題ない。
一方、WiMAXの接続性はもっとシビアかと思っていた。前回は運悪くいきなり接続できない場所に当たったが、今回のテスト結果では予想以上に「使える」印象である。頼もしき相棒だ。
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