AMDとHDDが“次のステージ”を予感させた6月のアキバ:5分で分かった気になるアキバ事情(2/2 ページ)
最大容量の3TバイトHDDが1万円割れした6月、AMD陣営は「AMD 990」マザーを投入し、「A75」マザーを発表した。自作PCの選択肢が1つ先の時間軸に移るような動きがいくつかあり、今後のトレンドを予感させている。
4GHz到達のSandy Bridgeや6コア化できるかもしれないPhenom II X4など、強力CPUも続々
1カ月を通して、CPUの新モデルが話題になることも多かった。6月初旬に登場したのは、サーバ/ワークステーション向けのSandy Bridge「Xeon E3-1290」だ。バルク品扱いで複数のショップに入荷し、CPUクーラーなどとのセット販売で売られていた。価格は8万3000円弱。
Xeon E3-1290は、GPUを内蔵しないタイプのSandy Bridgeで、3.6GHz動作の4コアを搭載している。Turbo Boost時は最大4.0GHzに達する仕様となっており、コンシューマー向けのラインアップも含めて、Sandy Bridgeで最高クロックのモデルとなる。
PC DIY SHOP FreeTは「対応チップセットはIntel C204となりますが、一部のZ68マザーでも動作を確認しました。保証外の組み合わせとなりますが、アーキテクチャ自体は同じなので、LGA 1155マザーなら動かせる可能性はけっこうあると思いますよ」と語っていた。
翌週には、AMDからも同社のコンシューマー向け4コアCPUで最上位となる「Phenom II X4 980 Black Edition」が投入された。価格は1万7000円弱から1万8000円弱。動作クロックは3.7GHzで、6コアのPhenom II X6を含めても最高クロックに達している。
しかし、それ以上に注目を集めたのは、月末に登場した「Phenom II X4 960T Black Edition」だ。動作クロックは3.0GHzながら、“T”のモデル名が示すとおり、6コアのPhenom II X6シリーズをベースに製造されているのが特徴。X6の特徴であるTurbo Coreテクノロジーに対応しており、最大3.4GHzに達する。価格は1万2000円弱だ。
加えて、初回に出回ったロットは、BIOSの設定変更で6コア化できるといったウワサも出回っている。現にドスパラ パーツ館では6コア化したX4 960Tのデモを公開しており、自作ユーザーの関心を集めていた。同店は「成功率は不明ですが、もともと6コアで製造して2コアを潰したような設計になっているので、保証外ながら実現できる個体もあるでしょう。もちろん、認識されてもきちんと動かないコアが隠れていたり、コア自体認識されない場合もあるでしょうけどね。まあ、面白いCPUだと思います」と話していた。
光るカサや透明な5インチベイケースなど変わり種アイテムも要チェック!
CPUの話題では、飛び抜けた個性を持つモデルが注目を集めていたが、ほかのジャンルでも代えのきかないユニークな特徴を備えたアイテムが目立っていた。6月第1週に登場したのは、オウルテックの5インチベイツール「OWL-B5BA3」と「OWL-B5BA2」。透明アクリルパネルを使った5インベイ用のケースで、OWL-B5BA3は3段用、OWL-B5BA2は2段用となる。価格は順に4000円弱と3000円弱だ。
パソコンショップ・アークは「5インチベイを余らせている人は多いので、小物入れ的なアイテムは人気が出ます。その中でもOWL-B5Bシリーズは透明というところが新しくて、予想以上にヒットしています」と話していた。
第2週には、リュウドの汎用スタンド「π=3.1416」が登場。シリコンで作られた直径約14センチの円柱を斜めにカットしたデザインとなっている。価格は1000円前後で、シンプルなデザイン性から好調に売れているという。パソコンハウス東映は「シリコンなので、そのままタブレットやノートPCを置いても、滑らずにしっかり固定されるのがポイントです。まさにシンプルイズベストなデザインで、売り場でも目立っていますよ」とプッシュする。
第3週に話題を集めたのは、エアリアの「LEDサーベルアンブレラ」とWand Companyの「KANDELA」だ。LEDサーベルアンブレラは柄の部分にLEDライトを仕込んでおり、グリップ付近のボタンを押すと光る仕組み。雨天のときは各ショップの店員さんが屋外で呼び込みながら実際に使って宣伝している。
フェイス秋葉原本店は「まだまだ周囲の方から笑われてしまいます。でも、カサとしてはしっかり作り込んでありますし、夜中に何か落としても手元灯として使えるといった実用性も兼ねそろえています。アキバ全体で流行ればうれしいです」と照れ笑いしながら期待を覗かせた。価格は2000円前後だ。
KANDELAはキャンドル風LEDライトと“魔法の杖”のセット。魔法の杖は加速度センサーを内蔵しており、LEDライトに向けて振るとランプのオン/オフができる。通信距離は最大4メートルで、価格は6000円弱。
TSUKUMO eX.は「5月に登場した汎用リモコン『KYMERA』の第2弾といった位置づけのアイテムです。別に魔法の杖を振らなくても、LEDライトに息を吹きかけて消灯することもできますけど、そこはまあ、やっぱり魔法の杖を使いたくなりますよね。そういうわくわく感に価値を感じる方に買っていただければと思います」と語っていた。(記事掲載当初、写真の位置に間違いがありました。おわびして訂正いたします)
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