“新世代”に切り替わる兆しが多かった1月のアキバ:5分で分かった気になるアキバ事情(2/2 ページ)
Radeon HD 7000シリーズのハイエンドGPUが登場した1月。CPUでも、Phenom IIが急速に姿を消し、C2ステップのSandy Bridge-Eが出回るなど、新旧交代の動きが目立った。
メモリ値上がりは微増止まり――自発的なメモリメーカー応援フェアも
1月は現行製品の価格変動にも注目が集まった。中でも特価キャンペーンの主役を張ることの多いDDR3メモリの値動きには目を光らせるショップが多く、特に警戒感が強まったのは年初だ。周辺店舗の価格動向をチェックするスタッフを増やすショップがいくつかみられるほどの状況になっていた。
ツートップ秋葉原本店は当時、「工場や為替相場の関係から月中旬にも仕入れ値が上がるとウワサされています。もともと2月前後の旧正月シーズンはメモリの値段が上がりやすいですし、長期的にチェックしていかないといけません」と話していた。実際、1月第2週ごろから、4Gバイト×2枚セットや8Gバイト×2枚セットの価格が数百円上がるといった動きがみられたが、1月末時点では微増止まりですんでいる。
わずかな値動きながら、クレバリー1号店は「メモリは特価の主役だけに、近所のショップと100円10円の価格差を競う傾向があるので、今回の値動きの影響も小さくないんですね。なんとか、お客さんに安いと思ってもらえる水準をキープしている感じです」とシビアな現状をもらす。
一方、長期的なDDR3メモリの値下がりで疲弊しているメーカーも少なくない様子。象徴的だったのは、月中旬からパソコンショップ・アークが展開している「がんばれELPIDA応援フェア」だ。「日本唯一のDRAMメーカーとなったエルピーダメモリの売り上げに少しでも貢献できればと、同社製モジュールを採用したサンマックス製メモリの特価をはじめました」(同店)という。
エルピーダメモリについて、年明けから海外メーカーとの提携交渉の動きが一部報道で示唆されており、心配しているショップも多いようだ。別のショップは「国内メーカーは存続してほしいですが、最近のすごい値下がりはダメージになっていると思います。なんとか乗り切ってほしいですよね」と話していた。
HDDはタイ洪水ショック継続も、高速4Tバイトモデルなど大物が登場
DDR3メモリの前に「特価の主役」だったHDDは、1月末時点でもタイ洪水の影響による品薄傾向が続いている。ソフマップ秋葉原本館は「供給量はまだまだ安定していません。価格はある程度落ち着いてきて、一時期に比べたらだいぶ安くなっていますけど」という状況だ。1月後半は、限定特価で1万円を切る2TバイトHDDだけでなく、7000円台の1.5TバイトHDDなどがみられるようになっている。
予断を許さない状況が続いているが、その中でも目立った新製品がいくつか登場している。1月中旬に出回ったのは、1Tバイトプラッタを採用したといわれる、ウェスタンデジタルの3.5インチHDD「WD Caviera Green WD10EZRX」だ。価格は1万1000円前後で、750Gバイトの「WD7500AZRX」(9000円弱)と、500Gバイトの「WD5000AZDX」(8000円弱)とともに各ショップに入荷していた。
クレバリー1号店は「同社で初の1Tバイトプラッタモデルです。大容量でもプラッタ枚数が最小になるので、壊れにくいうえに高速で動作するのが魅力です。現在のような状況でも、欲しい人は少なくないかなと思いますね」と話していた。
そして、月末には現行最大容量の4TバイトHDDにも高速モデルが加わった。日立の「0S03357」で、昨年12月に登場した初に4TバイトHDD「0S03361」よりも高速な、回転数7200rpmで動作する。価格は2万9000円弱だ。
ツートップ秋葉原本店が「大容量を扱うほど転送時間がかかるので、4Tバイトモデルの高速タイプは待っていた人が多いんじゃないでしょうか」と語るとおり、入荷後すぐに売り切るショップが出るほどの反響があった。
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