キーボード着脱式でCore i搭載のWindows 8タブレット――「FMV STYLISTIC WQ2/J」を攻略する:“2Wayスタイル”でいいとこ取り?(1/5 ページ)
Windows 8をバリバリ使えるタブレットが欲しいが、性能や拡張性にはこだわりたい。そんなユーザーに注目してほしいのが、CPUにCore iを採用し、キーボードドックが着脱できるWindows 8タブレットの「FMV STYLISTIC WQ2/J」だ。
タブレットだって性能に妥協したくない
富士通の「FMV STYLISTIC WQ2/J」は、11.6型ワイドのIPS液晶ディスプレイを搭載したWindows 8タブレットPCだ。
厚さ12.7ミリ、約850グラムのボディに第3世代Core(開発コード名:Ivy Bridge)の超低電圧版Core i5/i3を採用したパフォーマンス志向のタブレットPCであり、専用の外付けキーボードユニット「キーボード・ドッキングステーション」(以下、キーボードドック)と合体すれば、ノートPCスタイルでも利用できる“2Wayスタイル”が大きな特徴となる。
聞き慣れない製品名かもしれないが、これは量販店などの店頭で「FMV STYLISTIC QH77/J」として販売されている機種のメーカー直販カスタムメイドモデルだ。同社直販サイトの「富士通 WEB MART」から購入できる。
基本設計は同一だが、CPUやSSD容量、キーボードドック、オフィススイートの有無などを選択して購入できることは、直販モデルならではのメリットだ。今回は店頭モデル(QH77/J)と同等スペックの評価機を入手したので、性能や機能、バッテリー駆動時間などを検証していこう。
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ダークシルバーの渋いボディに充実したインタフェース
本体サイズは302(幅)×195(奥行き)×12.7(高さ)ミリ、重量が約850グラムだ。実測での重量は841グラムで、公称値とほぼ同じだった。裏面は鈍い光を放つダークシルバーの金属製ボディとなっており、見た目にかなり重厚感がある。
超低電圧版のCore i5/i3はTDP(熱設計電力)が17ワットあり、薄型軽量タブレットに使われるARM系プロセッサやAtomに比べて、性能が高い一方、消費電力も発熱量も高い。この違いは外観にも現れている。
WQ2/Jは性能重視でCore iシリーズをあえて内蔵したうえ、薄型と軽量のバランスを追求した製品なので、最近のタブレットデバイスとしては大柄で厚みがあり、がっしりとしていて男性的なイメージが強い。側面には多数のコネクタやスロット類が露出しており、デザイン優先ではなく、実用本位の設計思想がうかがえる。
12.7ミリの厚みを生かし、インタフェースを豊富にそろえているのは見逃せない。Windowsボタンが正しい向きとなる横位置で見て、右側面に多くの機能を集中させており、電源スイッチと無線スイッチ、画面回転ロックボタン、音量(大/小)のボタンを用意するほか、ヘッドフォン出力端子、マイク入力端子、HDMI出力、USB 2.0ポートを所狭しと詰め込んでいる。ここに内蔵マイクやディスクアクセスなどのインジケータ、スタイラスペンのひも取り付け穴も備えている。
ボディ左側面には、ACアダプタ接続用のDC入力のほか、SDXC対応のSDメモリーカードスロット、USB 3.0ポートが並ぶ。さらに下面にはステレオスピーカー、液晶ディスプレイの上部には約92万画素のインカメラ、裏面には約500万画素のアウトカメラを装備する。標準搭載の通信機能は、IEEE802.11a/b/g/n準拠の無線LANとBluetooth 4.0だ。
個人向け製品としては珍しく、指紋センサーを搭載している点も強調したい。タブレット利用時に文字を入力する機会の多くは、検索用の文字入力のほか、Windows 8へのログオンやWebサイトなどへのログインに使うパスワード入力といったことではないだろうか。このパスワード入力を指紋センサーへ触れるだけで代行できる利便性は通常のノートPC以上に大きく、実はタブレットと相性のよい機能といえる。もちろん、セキュリティ確保という点でも有効だ。
本体には34ワットアワーのリチウムポリマーバッテリーを内蔵し、公称の駆動時間は約4.8時間、充電時間は約2.3時間とされている。
この標準バッテリーは本体に内蔵され、ユーザーによる交換は不可だが、外付けのキーボードドックにも45ワットアワーのリチウムポリマーバッテリーが備わっており、これを装着した際には公称で約10.7時間まで駆動時間を延ばすことが可能だ(充電時間は約3.8時間)。キーボードドック側のバッテリーは着脱でき、単品での購入も行える。
ACアダプタは細長いスティックタイプのものが付属する。サイズは30(幅)×132(奥行き)×30(高さ)ミリ、ケーブル込みの重量は222グラムだ(いずれも実測値)。バッグの中で本体(キーボードドックと合体して閉じた状態)の脇に入れておくことを想定すると、ちょうど収まりがいい形状ではないだろうか。
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