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インテルのPC盗難対策サービスは万全か?――「VAIO Duo 11」で実践VAIO Duo 11ロードテスト(5)(1/2 ページ)

前回は「VAIO Duo 11」に体験版が付属しているPC盗難対策サービス「インテル アンチセフト・サービス」を一通り試した。今回は実際に使ってみて「これはどうなの?」と思った部分を掘り下げていこう。

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モバイルPCは常に盗難や紛失の危険と隣り合わせ

ソニーのスライダーハイブリッドPCこと「VAIO Duo 11」は、思わず見せびらかしたくなるデキだが、モバイルシーンでは目立ちすぎて盗まれないよう注意が必要だ

 インテルが「インテル アンチセフト・サービス」(IATS)の紹介ページで提示している資料によれば、ノートPCは53秒に1台のペースで盗難されており、米国の空港においては、毎週1万2000台以上のノートPCの紛失または盗難が報告されている。そして、盗難被害に遭ったノートPCのうち、46%は何の保護もなされていない。

 つまり、盗難された多くのノートPCは、知られたくない個人情報や会社の機密情報が、見られたい放題、取られたい放題だったわけだ。何とも恐ろしい話である。でも大丈夫。Ultrabookなら、「VAIO Duo 11」なら、IATSという強い味方がついている。これを利用すれば、盗難時や紛失時にPCを起動できないようロックをかけ、大事なデータの流出を防げるのだ。

 IATSの安心感は、実際に外で使ってみると実感できる。モバイルPCを外に持ち出して使用する際は、「まず盗まれないだろう」という場面でも、PCを残して席を外すのは躊躇(ちゅうちょ)するものだ。例えば、特に混雑もしていないファミリーレストランでセルフサービスのドリンクを取りに行くという、日本国内であれば「まず平気」というシーン。それでも、今までは心の奥底に不安があった。そうした心の葛藤で少々の時間をロスすることもあったが、IATSを設定してからは迷いがなくなった。

 もちろん、何があるか分からないので警戒を怠ってはいけない(盗難時に情報流出は防げても、PC本体が帰ってこないだけで大きな損失だ)が、精神的な負担がかなり軽減されることは間違いない。

起動時に表示されるIATSがアクティブであることを知らせる画面。安心を感じる瞬間だ(画像=左)。IATSがもたらす安心感は、実際に外で使ってみると実感できる。ファミリーレストランでセルフサービスのドリンクを取りにいくなど、ほんのちょっと席を外すときの安心感がまるで違うのだ(写真=右)

BIOS/UEFIレベルのパスワードとは何が違うの?

 もっとも、IATSを利用していれば、絶対安心かどうかといえば、確信が持てないところもある。今回はちょっとそういう部分を突き詰めて考えてみたい。

IATSのパスワードは、Webコンソールでいつでも変更可能だ。ロックするタイミングでの変更にも対応している

 まず、この機能はインターネット経由でPCをロックしたとしてもパスワードを入力すればロックが解除され、起動することができる。5分間の入力時間制限があるが、再び起動すれば再挑戦できる。ここで「BIOS/UEFIパスワードと何が違うの?」という疑問が浮かんでくるわけである。BIOS/UEFIパスワードであれば、多くのノートPCに搭載されており、無料で利用することが可能だ。

 だが、よくよく考えてみると、BIOS/UEFIパスワードよりかなり使えることが分かってきた。確かに設定したIATSのパスワード(8桁)を入力すると、普通に起動できる。この点ではUEFIパスワードと同じだ。だが、IATSのパスワードは毎回入力する必要がない。ロックがかかっている場合のみ入力すればいいのだ。そして、このパスワードは、Webコンソールからいつでも変更できる。つまり、ついさっきまで有効だったパスワードもロック前に無効にし、新しいパスワードを設定できる。ワンタイムパスワードのようなことが可能なわけだ。

 だから、毎回入力するのが面倒だからと、生年月日や電話番号など安全性皆無なパスワードにしてしまうことがない。仮にそうしてしまっても、ロック直前に変更できる。また、パスワードを忘れることが心配になって、PCの中に「password.txt」などという間抜けなテキストファイルを残していたとしても、ロック直前に変更可能だ。これは心強い。

 本来、モバイルPCならば、UEFIレベルやWindowsレベルでパスワードはかけておくべきものだろう。とはいえ、多くの人はそう分かっていてもパスワードをかけない。仮にかけたとしても「面倒くさい」という気持ちが勝って、安全性の低いパスワード管理をしてしまうのだ。そういう危機意識の低い一般的なユーザーが、いざというときにすがる救済策として、IATSはかなりよいのではないか、と思った次第である。

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