「大事なのは価格ではなく、生産性」――パナソニック「Let'snote AX3」発表会:“ユーザーの声で進化する”とアピール(2/2 ページ)
パナソニックが「Let'snote AX3」の発表に合わせ、神戸で製品発表会を開催。Let'snoteの事業戦略や、今後の方向性について語られた。
ユーザーの意見を取り入れる工場へ
製品の発表会は、兵庫県神戸市にあるパナソニックの神戸工場で行われた。神戸工場は、PCの生産からカスタマイズ、コールセンターといった設備が集中する施設だ。「パナソニックは設計から開発、生産まで自社のみで行っている(垂直統合型)ため、ユーザーの要望に合わせたサービスも行える。国内メーカーならではのきめ細かい対応で、企業からの信頼を得ている」(神戸工場工場長 清水実氏)
企業へのカスタマイズサービスは多岐にわたる。特にPCが届いたその日にすぐに使えるように、というコンセプトの「コンフィグレーションサービス」は、導入企業の希望に応じたアプリケーションのインストール、周辺機器の接続設定、ネットワーク設定などをあらかじめ済ませた状態で出荷するものとなる。各企業独自のIPアドレスを設定するといったサービスも行う。
本工場はサポートや開発以外にも、ユーザーの意見を取り入れるという役目も持っている。このたび、神戸工場内のショールームを改装し、より製品の活用シーンを見せるようにした。製品の活用シーンに加え、生産ラインを見せることで質の高さをアピールし、製品の導入を促す狙いだ。
ビジネスユーザーへの注力は変わらない
質疑応答では、ITプロダクト部門の業績へ質問が集中した。「2012年の業績は目標の80%程度に留まった。2013年も2012年と同様の目標を掲げているが、勝算はあるのか」という質問に対し、ITプロダクツ事業部 事業部長の原田氏は「2012年度の業績は個人向け製品の苦戦が原因。一方で法人向けは伸びた。2013年度はTOUGH PAD(堅牢タブレット)が伸びると予想している」と答えた。
同社のITプロダクト部門の業績は、2012年度は約1000億円となっているが、2015年度には約1200億円まで増やすのが目標という。「決して簡単な目標ではないが、法人向け製品のカスタマイズや海外向け製品の業績を伸ばすことで達成できると思っている」(原田氏)
関連記事
- 2013年PC夏モデル:Haswell搭載で13時間駆動、ディスプレイはフルHD+IPS液晶に――「Let'snote AX3」
Let'snoteのコンバーチブルモデル「Let'snote AX」シリーズに新モデル「Let'snote AX3」が登場。液晶ディスプレイに広視野角のIPSパネルを採用し、解像度を強化したほか、CPUをHaswell世代に刷新した。 - COMPUTEX TAIPEI 2013:“RetinaなFMV”や“IPSなLet'snote”か!?――Intelブースで見つけた未発表ノートPC
2013年のCOMPUTEX TAIPEIがついに開幕。Intelブースには同社製CPUを搭載したPCやタブレットの最新モデルが多数展示してあるが、中には未発表モデルも紛れ込んでいる。特に富士通とパナソニックのUltrabookは見逃せない存在だ。 - 2013年PC夏モデル:ストレージを強化した「Let'snote」夏モデル3機種
パナソニックは5月17日にLet'snoteの夏モデル3機種を発売する。いずれもストレージを強化したのが従来モデルからの変更点となる。 - Let'snoteはユーザーの声で進化する
パナソニックは、2月9日にLet'snoteユーザーを対象としたミーティングイベントを行った。午前の部では、PCライターの戸田覚氏とともにLet'snoteを「採点」した。 - 2013年PC春モデル:Windows 8を“より”使いやすく、Office 2013も当然導入──「Let'snote」シリーズ春モデル
パナソニックは、1月30日にLet'snoteシリーズの新モデルを発表した。ラインアップは従来のままで、それぞれでCPUやユーティリティの機能を強化した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.