Apple Watchを使い始めて2週間近くが経ちました。ワークアウトアプリのおかげで運動の頻度が増えたし、iPhoneをすぐ見つけられるようになったし、担当編集とも仲良くなれました。ただ、あるシーンでだけ、どう使っていいか分からないときがあります。
それは運転中です。
普段筆者は車で移動することが多く、週3〜4日は往復1時間以上運転しています。そのため、運転中にApple Watchで通知を受け取ることがままあります。
携帯電話は運転中の使用が法律で禁じられているため、iPhoneのときは通知が来ても無視していました。しかしApple Watchはハンドルを握る手首に着けており、画面が視線の範囲内にあります。したがって通知を確認しようと思えば、ハンドルを握ったまま手首をひねるだけで、iPhoneよりも簡単に通知を確認できるわけです。
Apple Watchに通知がどう表示されるかというと、通知を受け取るとまずアプリのアイコンが現れ、次に内容が表示されます。メッセージなら、チーンという音、Taptic Engineによる軽い手首の叩きとともにメッセージアイコンが表示され、直後に本文が表示されます。この間たったの2〜3秒ですが、この“チラ見”は法律的に許されるのでしょうか。
日本では現在、運転中のスマートウォッチ使用を直接禁ずる法律はなく、「画像表示用装置」を“注視”することが規制されている程度です。
「自動車又は原動機付自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、(中略)当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(中略)に表示された画像を注視しないこと。」(道路交通法第四章第一節第七十一条五の五)
個人的にはApple Watchといえどよそ見運転になって危険な気がするので、なるべく見ないようにしています。しかし反射的に目線をやることはありますし、「大事な通知が来てそうだな」と思うときは、iPhoneよりも確認のハードルが低いぶん、画面を見たい誘惑は大きくなります。
スマートウォッチが広がりを見せるなか、海外のメディアでも運転中の使用について議論が活発化しています。
例えば、ハフィントン・ポストは「運転中のApple Watch使用は禁止すべき」とする記事を掲載し、スマートウォッチでメッセージを読んでいたドライバーの反応が、通常時より約3倍時間がかかったという調査結果を取り上げました。また、記事の著者は、機内モードのように「運転モード」をスマートウォッチに追加すべきと主張しています。
WAREABLEでは、豪の一部の州警察が、運転中にスマートウォッチを使用すると罰金の可能性があると述べたと紹介。さらに、弁護士のStephen Joseph氏が、英国でアップル、グーグル、サムスンなどに対し訴訟を起こしており、ドライバーに運転中のスマートウォッチ使用の危険性を教育するための費用、約10億円を要求していると報じています。
2014年秋にはすでに英運輸省がドライバーに対し、携帯電話使用時と同じく、運転中にスマートウォッチを使用して事故を起こしてしまった場合、厳罰を下すと注意しているようです。運転中のスマートウォッチ利用をどう証拠づけるのかは難しいところですが……。
世界中で法規制が進めば、日本でも近いうちに法律が改正される可能性があります。しかし規制されようがされまいが、まずは利用者一人ひとりが安全運転を第一に考え、スマートウォッチを使っていく必要があります。よりパーソナルなデバイスだからこそ、あえて距離をおいて使うシーンがほかにも出てくるかもしれませんね。
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