Skylake「Core i7-6700K」の性能をMSIの「Z170A GAMING M7」で確かめる:酷暑の夏だから空と湖に癒されたい(5/5 ページ)
動作クロックは定格でDevil's Canyonと同じ、ターボでやや低め。統合グラフィックスコアはBroardwellのIris Proにあらず。その微妙な構成の実力やいかに。
Devil's Canyon世代から確実に向上
グラフィックス関連テストでは、3DMarkでCore i7-4790Kと比べて高スコアで、Core i7-5775Cと比べるとやや劣るといったところだ。Ultra Street Fighter IVでもCore i7-4790Kから大幅に向上した。60fpsを超えたのは1280×720ピクセルまでだが、1920×1080ピクセルで30fpsを超えたのは評価できるだろう。画質を落とせばプレイ可能と思われる。
バイオハザード6のテスト結果は傾向が異なる。Ultra Street Fighter IVではCore i7-5775C寄りの結果だったが、バイオハザード6ではCore i7-4790K寄りの結果に戻った。しかし、Core i7-4790Kと比べれば大きくスコアを伸ばしている。
ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族オンライン ベンチマークソフトでは、最高品質の1920×1080ピクセルで5000ポイントを超えて「快適」評価を得た。Core i7-4790Kは3008ポイントで、DDR3-2133メモリを使っても3457ポイントだったので、その点ではプレイできるタイトル、あるいは画質設定の幅が広がったといえる。
ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマークは、これまで同様、Core i7-5775Cに及ばず大きく離されたものの、Core i7-4790Kからは向上した。ただし、DirectX 9の標準品質、1280×720ピクセルでも「やや快適」評価なので、統合グラフィックスコアという制約あるのであれば、Core i7-5775Cがよい。
消費電力に関しては、マザーボードやメモリなど、CPU以外にも共通ではないパーツが多いため、参考程度にとどめてほしい。比較した中ではやや消費電力が大きい結果となっているが、GPU負荷時は従来よりも低消費電力だ。
性能は確かに向上。移行コストと最新規格のトレードオフがカギ
Core i7-6700Kは、定格の動作クロックをCore i7-4790Kと同じ4GHzに乗せてきた。その上で、DDR4メモリによって帯域も拡大した。一方、統合グラフィックスコアの性能は、デスクトップPC版BroadwellのようにIris Proと4次キャッシュメモリの採用を見送ったため、Core i7-4790KのIntel HD 4600に対しての向上したが、Core i7-5775Cにはかなわない。
CPU性能はすでに十分と考える自作PCユーザーは多い。そういうユーザーのは4万円少々で購入できるCore i7-4790Kや5万円を切る価格に落ち着いてきたCore i7-5775Cなど、Intel 9シリーズチップセットのプラットフォームが適している。
ただ、SkylakeとIntel Z170 Expressチップセットも、メモリやインタフェースを最新の規格に対応させるという意味では価値がある。Gen3 x4のM.2は、NVMeでも期待できるし、SATA Expressはストレージ以外にも、ケース前面へのUSB 3.1ポートを追加するために有効だ。システムメモリに関しては、パフォーマンス以外に移行を急ぐ理由はないが、DDR4メモリとDDR3メモリの価格差が以前と比べて少なくなっている。
Core i7-6700Kの価格については360ドル(1000個ロット時)となる見込みだ。現在の為替では5万円前後といったところだろう。マザーボードに関しては、まだIntel Z170 Expressチップセット搭載モデルのみで、高価な製品が中心となる。DDR4メモリで割高になることは事実だが、それほど大きな違いはならない。とはいえ、Skylakeに移行するのは、新しいアーキテクチャを採用するCPUをいち早く体感したいユーザーが中心となるはずだ。多くのユーザーが移行を検討するのは、Skylakeのラインアップと、対応チップセットのラインアップがそろうまで待つことになるだろう。
関連記事
- そして次――新CPU「Skylake」は8月5日の夜発売か
Windows 10の深夜販売に沸いたばかりのアキバだが、次の盛り上がりの布石も打たれている。1週間も待たずにやってくると思われる「Skylake」だ。 - 「Core i7-5775C」が“C”である理由を検証する(前編)
6月のCOMPUTEX TAIPEI 2015に合わせてデスクトップPC向けBroadwellが登場。インテルが「KではなくC」と説明するその理由をベンチマークテスト結果で考える。 - 緊急現地検証! “Hでくせの強い”Broadwellの実力を「Core i7-5775C」で試す
「ええ! ここでいまやるの? きーてないなぁー」と人気番組で定番のセリフを口にしつつ、台北にあるホテルの一室でベンチマークテストを走らせるのであった。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.