センチュリーマイクロのプロトタイプで試す新基板「B1ガーバー」メモリの実力:DDR4-3000超の高速圏を目指せ!(4/4 ページ)
Skylakeの登場で、本格的なDDR4時代が到来した。低電圧のデリケートなDDR4で安定した高速動作を可能にする新しいメモリ基板を検証する。
XMPを使わないメモリオーバークロックTips
XMPを使わないDDR4オーバークロック設定についてまとめておこう。最新のマザーボードでは、メモリクロックに関して、DDR4-2133/2400/2666……と設定値でプリセットを用意している。クロック設定では、ここでまず指定する。
DRAM電圧やアクセスタイミングはまた別に設定項目があるので、それぞれマザーボードのマニュアルに沿って手動で指定していく。アクセスタイミングは、「Auto」でもある程度までは動作する。このとき起動に成功した設定を、CPU-Zなどで確認してメモに記録した上で、より高いクロックに向けた設定を詰めていく。
ただし、今回の検証でプロトタイプは、DRAM電圧を1.3ボルト近くまで引き上げると、UEFI画面やデスクトップ画面でチラツキが発生した。このため、低めの電圧で高クロックを狙っている。「CK8GX2-D4U2400/MIC」では、1.35ボルトまで電圧を高めると動作が安定し、DDR4-3066までは問題なく引き上げることができた。
なお、今回はCRを2Tに指定している。3Tにすればもう少しクロックが上がる可能性もある。DDR4-3000クラスのオーバークロックメモリを見ると、CL17あたりまで“ゆるめて”いるものも多い。今回のオーバークロックは、比較的ゆるい設定で行っているので、特に「CK8GX2-D4U2400/MIC」に関しては、さらに上を目指す余地が残っていると思われる。
B1ガーバーを先行投入できた理由とは
センチュリーマイクロのプロトタイプ品と、「CK8GX2-D4U2400/MIC」を用いて「B1ガーバー」を試した検証結果が示すように、DDR4-2133で運用する上では、旧ガーバーと違いはない。DDR4-2400でも、基本的には同じ性能だ。Skylakeの定格がDDR4-2133である現状で、急いでB1ガーバー品に移行する必要はなさそうだ。
ただし、SkylakeとIntel Z170 Expressチップセットの組み合わせといったコンシューマ向けのプラットフォームでDDR4メモリを安定して動かすために、マザーボード各社は意外と“苦労”していると聞く。そのような状況において、なんのトラブルもなく動作したたけでなく、高いオーバークロック性能も見せた。これはB1ガーバーの信頼性とを示しているとともに、その信頼性がデリケートなDDR4が使いやすいということにもつながるといえるだろう。
センチュリーマイクロの製品は高価で、DDR4-2400対応のオーバークロックメモリと比べても数千円高い。オーバークロック設定も、XMPのように簡単とはいかず、手動設定に頼る必要があるため上級者向けだ。その上で、1段階上の安定動作を望むユーザーや、究極まで突き詰めたオーバークロックを狙うユーザーに試してもらいたい“マニア好み”のDDR4メモリとして評価したい。
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