終了とウワサされる「Chromebook」が存続しそうな3つの兆候:ITはみ出しコラム
「Chrome OSはAndroidに統合される」という終了説も流れましたが、どうやら生き延びそうです。
最近、立て続けにChromebookの魅力的な新モデルが登場しました。「Acer Chromebook 14」と「HP Chromebook 13」は、いずれもすっきりしたアルミボディーでお手頃価格です。
「GoogleはChrome OSをAndroidに統合するつもりだ」――米Wall Street Journalが2015年10月にそう報じ、Googleはすぐにそれを否定しましたが、「火のないところに煙は立たない」と終了のうわさは消えません。
そんな中での新モデル登場に、「Googleの本気を反映しているのでは?」とChromebookユーザーである筆者はちょっとわくわくしています。
GoogleがChromebookを今後も存続させる兆候は、少なくともあと2つあります。
1つは、同社が毎年公開する「創業者からの手紙」の本年版で、スンダー・ピチャイCEOが「Chromebook」という単語を2回も登場させていることです。
最初に出てくるのは、Googleの企業向け製品・サービスを列記するところで、次は、世界中の全ての人が情報を享受できるようにする手段の1つとして、「100ドルのChromebook」を提供していると語ったところです。
この手紙は、同社が今後進むつもりの方向を示すものなので、すぐに終了させる製品名を入れることはほぼないです。
もう1つの兆候は、これはうわさ段階ですが、GoogleがChrome OSで、Androidアプリをシームレスに利用できるようにするつもりらしい、というものです。
Chromebookでβ版Chrome OSを使っているユーザーが、最新β版(バージョン51)にアップデートしたところ、「Enable Android Apps to run on your Chromebook」(ChromebookでAndroidアプリを使えるようにする)と表示されたとして、設定画面のスクリーンショットをRedditに投稿しました。投稿した人によると、この表示はすぐに消えたそうですが、設定を有効にしたらGoogle Playで公開されているAndroidアプリがChromebookで使い放題になるのではないか、という話です。
Chromebookでは、Chrome ウェブストアで公開されているアプリを使えますが、その数はAndroidアプリと比べればさみしいものです。Androidアプリが使えれば、かなり便利になります。
Googleは「ARC(App Runtime for Chrome)」というプロジェクトでAndroidアプリをChrome OSで使えるようにしようとしているので、これはあながちただのうわさではなさそうです。
安価なWindows 10ノートPCも出てきている中、「そもそもChromebookの存在意義はあるのか?」という疑問もありそうですが、Googleとしては、先のピチャイCEOの説明のように、Google Apps採用企業向けや100ドルでの低予算な人々へのネット接続ツールの提供が目的です。
筆者にとってもChromebookはなくてはならないツールです。使い慣れたWindowsアプリが動かないのでメインマシンにはしていませんが、サブマシンとして記事のネタ探しやメモ書きに活躍しています。
Windowsマシンと違って起動が早いし、Chromeブラウザで大量にタブを開いてもあまり遅くなったりしません(自分のWindows 7マシンとの比較で)。Chromebookのブラウザでネタをチェックしてメモアプリに要点をまとめたら、Windowsマシンで同じタブをChromeブラウザで開いて記事を書き始める、という感じです。
筆者は在宅で座りっぱなしになりがちなので、Chromebookで立って記事をチェックし、Windowsマシンで座って記事書き、というパターンは健康にもよさそうです。
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