即戦力で使える台湾メーカー3社のおすすめNASキットは?:SOHO/中小企業に効く「NASキット」の選び方(第4回)(2/2 ページ)
法人はもちろん、家庭でもネットワークストレージの「NAS」が普及する中で、近頃存在感を増しつつあるのがQNAPやSynology、ASUSTORなどの台湾メーカーが手掛ける「NASキット」だ。そんなNASキットの選び方を紹介する本連載の最終回は、即戦力で使える各社のおすすめ製品を各社の型番の命名ルールとともに紹介しよう。
ASUSTOR
最後に、先の2社に比べエントリー向け製品に強みを持つASUSTORを紹介しよう。こちらは「AS」の後ろに4桁の数字が付与されるのが通例だ。1〜2桁目はシリーズ、3〜4桁目がドライブ数という命名ルールになっており、その後ろに「T」や「TE」というアルファベットが付くのが通例だ。
AS3102Tであれば、「31」というシリーズにおける2ベイモデルという意味になる。シリーズ名を表す2桁の数字は、大きいほど性能的に上位となるので、製品を選ぶ際の目安となるだろう。後ろのアルファベットについては、現状のラインアップでは大きな違いはないため気にしなくてよい。
同社製品では、型番が「AS-」と、ASの後ろにハイフンが付属するモデルもエントリーモデルを中心に現行製品としてラインアップしている。こちらは世代としては一つ前に当たり、現行製品と比較するとハードウェア面でやや見劣りしたり、また法人向けの機能としては重要度の高いハードウェア暗号化に対応していなかったりなどの特徴がある。カートリッジ式であるといったメリットもあるのだが、現状では避けたほうが無難だろう。
「AS6102T」は、プロセッサがIntel Celeron 1.6GHz デュアルコア、メモリが最大8GBまで増設可能で2基のLANポート搭載と、SOHO/中小企業向けの入門機といっていいスペックのモデルだ。同社製品ではワンランク安価な「AS3202T」という製品もあり、こちらはプロセッサがIntel Celeron 1.6GHz クアッドコアと本製品より上なのだが、メモリが2GB固定、LANポートは1基のみで、かつカートリッジ式でないため同社の独自機能であるMy Archive機能も利用できずトータルでは本製品に分がある。4ベイモデルの「AS6104T」もラインアップされている。
「AS6202T」はAS6102Tの兄弟モデルにあたる製品で、主な違いはプロセッサがデュアルコアではなくクアッドコアであること、標準のメモリが2GBではなく4GBであるといった点が挙げられる。同社の区分上は、パワーユーザーからビジネス向け(100-200ユーザー)と、家庭使用からパワーユーザー向け(30-100ユーザー)であるAS6102Tよりもグレード自体が一つ上という位置付けなので、予算に余裕があればAS6102Tよりこちらを選択したほうがよいだろう。ちなみにこちらも4ベイモデル「AS6204T」が用意されている。
4ベイモデルの最上位となるのが「AS7004T」だ。プロセッサにIntel Core i3 3.5GHz デュアルコアを搭載し、メモリは16GBまで拡張可能と、性能の高さおよび拡張性は同社製品の中では折り紙つきで、同社の区分上では最上級に当たる小中規模企業(200ユーザー)向けと位置付けられている。同じくIntel Core i3を搭載したQNAPの「TVS-471-i3-4G」に比べ、こちらは10GbE非対応、また標準メモリは半分の2GBとハードの仕様は控えめだが、価格はおよそ2/3ほどなので、それらの違いを考慮に入れて検討したいところだ。
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