Windows 10狂騒曲の終わり 物議を醸したGWXアプリをついに削除:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」
Windows 7/8.1ユーザーを悩ませ続けた「Windows 10を入手する(GWX)」アプリが、9月後半の更新プログラムでひっそりと削除された。
2016年7月29日にWindows 7/8.1からの無料アップグレード期間が終了し、続く8月2日には無料の大型アップデート「Anniversary Update」の配信も始まったWindows 10。一時期のアップグレードを巡る狂騒曲もようやく終わった感がある。
無料アップグレード期間の終了とともにその役目を終えた「Windows 10を入手する(Get Windows 10:GWX)」アプリだが、ようやくユーザーのPCから自動で削除される更新プログラムが配られた。
9月20日(米国時間)に配信された更新プログラム「KB3184143」を適用すると、無料アップグレードの対象になっていたPC(Windows 7/8.1)からGWXアプリがアンインストールされる。Microsoftが「無償アップグレード期間終了後にPCから自動削除される」と告知していたGWXアプリだが、そこから2カ月近い期間を経てようやく実現されたわけだ。
GWXアプリは、かつて更新プログラムで自動的にWindows 7/8.1搭載PCへ追加され、タスクトレイに常駐し続け、Windows 10へのアップグレード告知やインストール予約などを行っていた。無料アップグレード拒否の操作が分かりにくく、アップグレード日時を自動で予約してしまうなど、強引な手法がユーザーの混乱を招き、日本では消費者庁が注意喚起する事態となり、ギリギリでキャンセルしやすいよう改善されたことは記憶に新しい。
2016年5月段階のGWXアプリ。Windows 10のアップグレードが自動予約されていた。「ここをクリックすると〜」の文字をクリックすると、スケジュールの変更やキャンセルが可能だが、クリックできる領域は「ここ」の2文字と小さく分かりづらい
無料アップグレード期間が終了した後は、GWXアプリを起動しても「申し訳ございません。無償アップグレードキャンペーンは終了しました」と表示され、有料アップグレードを強引に迫るようなことはなかったが、GWXアプリに散々悩まされたWindows 7/8.1ユーザーにとって今回のアンインストールは朗報に違いない。
なお、無料アップグレード期間はとっくに終わったが、以前報告した「Windows 7/8.1のプロダクトキーでWindows 10のライセンス認証ができる」という現象はまだ確認されているようだ。この現象がいつまで続くのかは不明だが、試す際には自己責任での作業となる。本記事はこの方法を用いたアップグレードを推奨するものではない。
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