GoogleからXiaomiを経て、FacebookのVR責任者になったヒューゴ・バーラ氏とは?:ITはみ出しコラム
かつてはAndroidやNexusの顔として知られていました。
米Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOが、同社のVR/AR責任者として、中国Xiaomiの幹部であるヒューゴ・バーラ氏(40)を指名したのにはびっくりしました。Oculus VRを含むVR/AR事業を率いることになります。
この人事は、ザッカーバーグ氏が1月25日(現地時間)にFacebookの投稿で明らかにしました。「ヒューゴはまだ中国にいて、VRでミーティングしている」とのことで、(アバターだけど)笑顔でザッカーバーグ氏のオフィスに並ぶ画像付きでした。
バーラ氏は、今のFacebookのVR/ARにとって最適な人材だと思います。さすがザッカーバーグ氏です。
ザッカーバーグ氏は事あるごとに、「次のコンピューティングのプラットフォームになるのはVR/ARだ」と言っています。今の状況はまだ、VR/ARはアーリーアダプターというかオタクというか……な限られた人々のものでしょう。これを一般的な人々に広めるのに、ヒューゴ(勝手ながら親しみを込めて名前で呼び捨てにさせてもらいます)はピッタリです。
ヒューゴを初めて意識したのは、初代「Nexus 7」が発表されたイベントのプレゼンでした。2012年のことです。エンジニアらしからぬ(失礼)フレンドリーな笑顔と太い腕で、小さなNexus 7を楽しそうに紹介していました。このころは、GoogleのAndroid担当製品管理ディレクターでした。
次に彼の名前に出くわしたのは、Googleの共同創業者であるサーゲイ・ブリン氏のゴシップでした。どうもブリン氏はヒューゴの彼女(この人もGoogleの従業員)をとっちゃったらしい、という話でした。そのせいかどうか分かりませんが、このうわさの直後、ヒューゴは単身北京に渡り、中国で急成長中だったスマートフォンメーカーのXiaomiに転職しました。
ちなみに、ヒューゴは2003年からFacebookを使っていますが、Googleにいた間の2009年から2013年の投稿がすっぽりありません(Google+には残っています)。
Xiaomiに入ってからは、海外市場開拓のために東奔西走。インドや(故国である)ブラジル、インドネシアへと精力的にXiaomiを広めていきました。
そして、Xiaomiは2016年10月、オリジナルのスマートフォン向けVR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)である「Mi VR」を発表しています。このプロジェクトにヒューゴがどのくらいかかわっていたかは不明ですが、ヒューゴもツイートしています。
いつも扱う製品を愛し、同僚から愛されるヒューゴ。もちろん、ただの気のいいおじさんではなく、MIT(マサチューセッツ工科大学)でコンピュータ科学と電気工学を修めたエンジニアです。どこも欲しがる人材でしょう。
ザッカーバーグ氏がFacebookに採用すると発表する直前に「Xiaomiは大好きだけど、自分のホームであるシリコンバレーに帰るよ」とFacebookで発表したときはどうしたんだろうと思いましたが、今回の発表で納得しました。
これからのヒューゴの活躍と、VR/ARの発展が楽しみです。
関連記事
- 2016年のGoogleを振り返る AlphaGoから虚偽ニュース問題まで
検索やAndroidに限らず、さまざまなニュースがありました。 - 「Google Assistant」がついに日本語対応 Pixel上陸も近い?
これにより、ハードウェア製品の国内発売も近づいたかもしれません。 - Googleの新しいアンテナショップを知っていますか?
オリジナルのハードウェア製品群「Made by Google」が出そろいました。 - なぜGoogle翻訳は賢くなれたのか
今後は翻訳精度の向上に加えて、多言語対応も進みそうです。 - さよならNexus 14モデルの歴史を振り返る
2010年に登場した「Nexus One」から6年。Nexusブランドはその幕を閉じようとしています。 - FacebookのザッカーバーグCEOは写真映えにうるさい?
並々ならぬ写真へのこだわりを感じます。 - 「Pokemon GO」のおかげでARメガネがいよいよ普及する?
ARメガネのキラーアプリ、それは「Pokemon GO」なのかもしれません。 - “iPodの父”が去ってGoogleのスマートホームはどうなる?
Googleが2014年に買収したスマートホーム企業のNest Labs。新製品が出ず、どうなっているのかと思っていたら動きがありました。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.