バグ問題でWindows 10春の大型アップデート「1803」配信開始に“待った”か:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/2 ページ)
「Redstone 4(RS4、1803)」の開発コード名で呼ばれ、最近では「Spring Creators Update」の名称がうわさされているWindows 10の2018年春アップデートだが、一般ユーザー向け配信の前に“待った”がかかった状態のようだ。
Skip AheadのRS5は順調にアップデートを続ける
RS4が最終段階で“つまづく”一方、RS4に続いて2018年10月ごろの配信を目指して準備が進んでいるWindows 10大型アップデート「RS5(Redstone 5、Version 1809)」の開発は順調に進んでいるようだ。
まず3月29日(米国時間)にWindows Insider Programの「Skip Ahead」選択ユーザー向けに配信された「Build 17634」では、「カレンダー」アプリに検索機能が加わった。検索は、Outlook、Hotmail、Windows Live、Office 365アカウントで利用できる。
また、音声アシスタントの「Cortana」がWindows 10の各種設定について説明するプレビュー版アプリ「Cortana Show Me」は、音声によるアプリの起動をサポートした。例えば「私のバックグラウンド(背景)を変更する方法を教えて」とCortanaに呼び掛けると、ガイド付きのヘルプが立ち上がる。Cortana Show Meは現状で英語とドイツ語に対応し、15の設定ガイドがある。
4月4日配信の「Build 17639」では、試験機能「Sets」(Edgeブラウザで採用している“タブ”のUIで、各種アプリやファイルの操作も行える機能)の拡張が行われた。
動作する個々のアプリを示す“タブ”をウィンドウ間でドラッグ&ドロップ、あるいはウィンドウ内の並び順を変更可能になった他、「Alt」+「Tab」を使ったタブ制御、さらに「(ファイル)エクスプローラ」からの操作など、操作可能な項目が増えている。
4月12日配信の「Build 17643」では、さらにSetsとOffice 365との連携が強化された。Office 365サービス内のデータソースに対して最適なOfficeアプリでタブのUIを用いて作業が可能な「Sets with Office」の仕組みが利用できる。
Microsoftによれば、Setsは現在「Paint.exe」などタイトルバーをカスタマイズしている一部のアプリを除いて、Win32を含むほぼ全てのデスクトップアプリに対応しているとのこと。RS5では今後しばらくSetsを中心とした改良が進むだろう。
現状では地味な改良だが、このBuild 17643では「Wi-FiならびにCellular Data利用時の過去30日間の通信容量表示」もサポートされている。特に今後PCにおいて携帯電話ネットワークを用いたデータ通信が増加することを考えれば、こうした機能強化は重要な意味を持ってくるだろう。
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