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Amazon Echoに対応したTP-LinkのWi-Fiルーター 音声操作で何ができる?山口真弘のスマートスピーカー暮らし(2/2 ページ)

スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする本連載。今回はスマートスピーカーからの音声操作に対応したTP-LinkのWi-Fiルーターについて、具体的に何ができるのかを紹介する。

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今後のアップデート次第ではセールスポイントになる?

 設定方法と使い勝手は以上の通りだが、気になる点が2つある。一つは、パスワードなどのセキュリティがなく、誰でも操作できてしまうことだ。通常、ルーターの管理画面は管理者しかログインできないが、このスキルはAmazon Echoから誰もが利用でき、結果として設定を自由に変更できてしまう。

 現状提供されている機能は、勝手に設定を変えられても支障のないものがほとんどだが、ゲストネットワークの有効・無効などは、外部からの侵入に使えるだけに少々不安だ。いちどゲストネットワークを使った来客がこっそり戻ってきて無断でアクセスする……といった事態を防ぐためにも、SSIDのパスワードはまめに変更するなどの対処が必要だろう。

 もう一つは、そもそもこのスキルは本当に必要なのか? という根本的な疑問だ。スマートスピーカーからの操作に対応することでハードルが下がり、これまで使っていた機能がもっと使いやすくなるか、あるいはハードルが高かった機能が使えるようになれば意味はあるが、現状ではニーズよりもシーズ優先という印象が強い。

 ではニーズがあるとしたら何だろうか。「ルーターがリモートで操作できる」と聞いて、多くの人が期待するのは、ルーターそのものを再起動できる機能ではないだろうか。何らかの通信異常が発生した時に、音声でルーターを再起動できるとなれば(第三者にいたずらされないようセキュリティを講じる必要はあるが)重宝することだろう。

 ルーターの電源を切ると、通信回線が切断されるため、スマートスピーカーはその瞬間に使えなくなる。それ故、スマートプラグなど外部機器を使ったとしても、電源をオフにすることはできても、オンにすることは実質不可能だ。

 もしそれらができるとすれば、ハードやソフトに手を加えられるメーカー自らスキルを提供する場合のみで、本製品に期待されるのはまさにそこだろう。

 ちなみにAlexaスキル対応の周辺機器にはQNAPのNASがあるが、こちらはIFTTTを介し、リモートでの再起動を実現している。ユーザーが求めるのは、むしろこうした利便性の高い機能のはずだ。本製品も次のステップでは、そこまで踏み込んだ機能の実装を期待したい。そうすればAlexa対応であることが、一つのセールスポイントになりうる。

TP-Link
スマホとの組み合わせでは、管理用アプリ「Tether」を使って本体の再起動が行える。これがスマートスピーカーから行えるようになるのがベターだろう
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