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コラム

ベンチマークは「リアルな使い方」で取るべき Intelが主張(4/4 ページ)

Intelが、報道関係者向けに「ベンチマークテスト」に関する説明会を実施した。「ベンチマークテストは“実使用環境”に基づいて行うべき」だという。どういうことなのだろうか。

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デスクトッププロセッサ:大半のゲームでは「Core i7>Ryzen 9」

 今回はモバイル向けプロセッサに関する説明が中心だったが、デスクトップ向けプロセッサの「実使用環境」についても言及があった。

 先日発売されたRyzen 3000XTシリーズでは、ベースとなるCPUからブースト(最高)クロックが100〜200MHz引き上げられている。しかし、SYSmark 2018でベンチマークテストを実行すると、ベースCPUからスコアが1〜2%ほどしか改善しなかったという。

 さらに、Ryzen 3000シリーズのフラグシップとなるRyzen 9 3900XT(3.8G〜4.7GHz、12コア24スレッド)と、CoreプロセッサのフラグシップとなるCore i9-10900K(3.7G〜5.3GHz、10コア20スレッド)……ではなく、下位のCore i7-10700K(3.8G〜5.1GHz、8コア16スレッド)とのゲームにおける「実使用環境」での平均フレームレートの比較結果が披露された。ノートPCにおける比較と同様に、CPU以外の構成はそろえられており、価格はRyzen 9 3900XT搭載PCが499ドル(約5万3000円)、Core i7-10700K搭載PCが387ドル(約4万1000円)である。

 結果は、30ゲーム中24個がCore i7-10700Kの方がフレームレートが高いか、Ryzen 9 3900XTと同等だ。つまり、Intel製CPUなら、より手頃な価格でゲームを快適に楽しめる可能性が高いということになる。

 ただし、30ゲーム中6個は、Ryzen 9 3900XTの方がフレームレートが高かった。Ryzenや多コアCPUへの最適化が進むと、Coreプロセッサの優位が保てるかどうかは分からなくなる。

デスクトッププロセッサ(その1)
デスクトッププロセッサ(その2)
デスクトップ向け第3世代Ryzenのフラグシップよりも、「フラグシップの下」にあるCore i7-10700Kの方が快適に楽しめるゲームがあるとアピール

最近の「Ryzen推し」に危機感?

 今回の説明会を通して感じたのは、Intelのある種の「焦り」だ。

 最近はデスクトップ向けだけではなくモバイル向けCPUの世界において、Ryzenは着実に知名度を上げ、シェアも向上してきている。これは、ひとえに「費用対効果」に優れているからだ。

 「安いがパフォーマンスがいまいち」「APUはGPU部分こそ高性能だけどCPU部分が……」といったAMD製CPU/APUの評判は過去のものになりつつある。Intelが指摘する通り、弱点はまだあるものの、世代を経るごとに着実に改善している。

 今後のPC向けCPUの勢力図はどうなるのか。予断を許さない状況なのは間違いなさそうだ。

まとめ
説明会のまとめ。Intelが真の意味で優位性を保てるのかは、今後にかかっている
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