人は減ったが店は開いている――緊急事態宣言後のアキバ:古田雄介の週末アキバ速報(2/2 ページ)
緊急事態宣言が再び発令された当日の秋葉原電気街を取材した。PCパーツショップでは、ミドルレンジのグラフィックスカードがまとめ買いされるなど、新たな動きが見られた。
マイニングブーム再燃でミドルレンジの需要が急増
これも、広い意味では新型コロナの影響といえるだろう。ビットコインが急騰している流れで、仮想通貨をマイニングするために大量のグラフィックスカードを購入する動きが一部で再燃しているという。
GeForce GTX 1660やGTX 1660 SUPER、Radeon RX 5600 XT搭載カードなどのミドルレンジクラスの在庫が急に薄くなったと語るショップが複数あった。ドスパラ秋葉原本店は「もともとハイエンドクラスは年末から品薄傾向が続いていますが、ここにきて急にミドルレンジの棚も空きが目立つようになりました。ちょっと回復には時間がかかりそうです」と話す。
秋葉原におけるマイニングブームは、2017年5〜7月頃に最初のピークを迎え、2018年初旬に再燃。その後は、仮想通貨の価格が下がってマイニングの利が薄くなったことから落ち着いていた。
当時、飛ぶように売れていたパーツの1つにProjectMのPCIe x1-x16変換キット「PM-PCIE1T1」がある。1台のPCに大量のPCIe x16接続のグラフィックスカードを接続するために買われていった。オリオスペックでは現在もストックがあり、1キット110円、つかみ取りなら330円で提供している。
「2020年の11月頃からでしょうか。確かに注文が増えていますね。3人に2人はつかみ取りを選びますよ。手が大きければ7〜11キットつかめるので喜ばれますね」という。ストックは既に1箱程度になっているそうだ。
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