GeForce RTX 3080/3070周辺から徐々に安く――グラフィックスカード価格の今:古田雄介の週末アキバ速報(1/2 ページ)
五輪開催まで1週間を切ったが、電気街に祭典の風は吹いていない。PCパーツショップはどこも「だいたい(全く)変わらないですね」という。その中で少しずつ変化しているのが、高騰しきったグラフィックスカードの価格だ。
グラフィックスカードの中で、特にGeForce RTX 3000シリーズの価格はさまざまな要因が重なって高騰している。最上位のRTX 3090搭載カードは30万円超(税込み、以下同)が普通で、RTX 3080 Ti搭載カードは20万円前後、RTX 3080搭載カードは10万円台後半が“相場”といった状況だ。
15万円切りのRTX 3080カードがちらほら見つかる状況に
2021年6月に登場したばかりのRTX 3080 Tiは別にして、2020年9月のRTX 3080と2020年9月のRTX 3090は、初登場時の平均価格から7〜10万円程度上昇しており、長期にわたる影響は顕著だ。
その深刻な値上がり傾向がピークアウトしたと、複数のショップで聞くようになった。7月頭に報じたRTX 3070 TiとRTX 3070の価格逆転もこの流れにあるが、上位GPUにも影響が広がっているという。
パソコンSHOPアークは「現在じわじわと価格が落ちてきたと感じるのはRTX 3080 TiからRTX 3070あたりですね。一部のモデルがわりと低めの価格になって、GPU全体の平均値を下げているという感じです。特にRTX 3080カードは新発売で15万円切りのモデルが登場するなど、けっこう変化がありますね」という。
ZOTACのLHR版RTX 3080搭載カード「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3080 Trinity OC LHR」(ZT-A30800J-10PLHR)が15万円切りで登場した
TSUKUMO eX.も「高付加価値のついたRTX 3080 Tiカードが19万円切りで初回から売り出されて、『お、安い』と思ったりしましたね。あくまで今この瞬間の相対的な『お、安い』ですけど」と同様の感触を認めている。
一方で、RTX 3060 Ti以下はモデル単位でも値下がりの兆しはあまり耳にしない。別のショップは「誰かが仕掛けてこうなっているわけではないですからね。いろんな偶然が重なって、ミドル以下にも広がっていくのではと思います。個人的には気長に待っています」と話していた。
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