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最小要件を満たさない旧型PCでもWindows 11が利用可能な意味Windowsフロントライン(2/2 ページ)

米Microsoftが次期OS「Windows 11」について要件緩和を発表し、話題を集めている。その背景を考えてみた。

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ただし“落とし穴”も

 こうした「抜け穴(Loophole)」が話題になる一方で、“落とし穴”の存在も警告されている。先ほど「対応ドライバやシステム検証の問題があり、“完全に動作している”とは言い難い面もある」と触れたが、おそらくこの“抜け道”を用いたインストール手法における問題はこの部分にあると予想される。

 The Vergeのトム・ウォーレン氏は自身の記事の中で次のように触れており、最小要件を満たさないシステムがマニュアルインストールでチェックプログラムを回避した場合、Windows Updateで“セキュリティパッチ”を受け取れない可能性を示唆している。

Microsoft reached out to tell us about one potentially gigantic catch it didn’t mention during our briefing: systems that are upgraded this way may not be entitled to get Windows Updates, even security ones. We’re asking Microsoft for clarification.

 ウォーレン氏によれば、Microsoftは「セキュリティパッチを受け取れない可能性がある」ことを伝えたのみで、その後詳細などについては触れていないというが、同時にその背景についての分析も行っている。

 もちろん、攻撃手法の先鋭化するPCの世界において、Windows 11の性能をフルに生かすセキュリティ対策がハードウェアに施されていないというのは大きな問題だ。ただ、それだけを理由にWindows Updateで毎回システム要件をチェックしてアップデート配信の有無を判定するとも考えにくく、「Microsoftの意図として、“新しいPCを購入させたい”と考えるのがしっくりくる」と同氏は結論づけている。

 前述のパッチ配信の有無もあくまで計画の1つであり、実際にフタを開けてみるまでは分からないというのが実態だ。

 もちろん、本来推奨されている導入方法ではないため、「あくまでこういう“ルート”もある」と心に留めておくだけにしてほしいが、実際に2021年秋にWindows 11が正式リリースされた際には改めて報告したい。

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