ランサムウェア対策を自動化する「Microsoft Defender for Business」はセキュリティ対策に手が回らない中小企業の希望の星となるか:Windowsフロントライン(3/3 ページ)
Microsoftがセキュリティ関連のソリューションを相次いで発表している。「Microsoft Defender for Business」の狙いを読み解いていこう。
専任の担当者がいない場合もカバー
価格面でいえばMicrosoft 365 Business Premiumと同等なので、中小企業が同社のクラウドサービスを導入するのと同じ値段でランサムウェア対策を含むセキュリティ対策製品を導入できるため、コスト面で財布にやさしい。
加えて、中小企業のセキュリティ対策でもう1つの問題となる「専任の担当者がいない」という部分もMicrosoft Defender for Businessではカバーされる。セキュリティスコアで脅威度が評価されるので、最初にデバイスの“オンボーディング”さえ行えば(つまり登録作業)、後は基本的に自動監視で、必要に応じてアクションを行えばいい。
前述のようにMicrosoft Defender for Individualsの登場で監視対象がWindows以外にも広がったため、中小企業のIT機器のセキュリティ対策は実質的にMicrosoft Defender for Businessで済むようになった。サービス販売に際しては日本マイクロソフトは国内に10社ほどのパートナーと提携を行い、無償トレーニングを含むソリューションの認知拡大を進めている。
先ほども触れたように、機能的には大企業向けのセキュリティ対策とさほど差はない。Microsoft Defender for Businessに相当する対策製品として「Microsoft Defender for Endpoint Plan 1」「Microsoft Defender for Endpoint Plan 2」の2つがあるが、実はAPIなど企業向けのカスタマイズに必要なサービスを除けば、Microsoft Defender for BusinessはMicrosoft Defender for Endpoint Plan 1よりも機能が豊富であり、できることも多い。
特に自動化機能が充実しており、何より管理が楽という点をセールスポイントとしている。「自ら細々と対策するよりは、信頼できる相手に丸ごと投げてしまおう」というのが基本的な考え方で、この点に賛同できるなら導入を検討してみるといいかもしれない。
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