デスクトップ向け「Coreプロセッサ(第14世代)」の実力を検証 クロックアップ分の性能向上はある?:Intelからの挑戦状?(3/3 ページ)
Intelのデスクトップ向け「Coreプロセッサ(第14世代)」のアンロック対応品が発売された。その実力はいかほどのものか、ベンチマークテストを通してチェックしてみよう。【更新】
Coreプロセッサ(第14世代)の消費電力
最後に、Coreプロセッサ(第14世代)の消費電力を確認しよう。今回は型番に「K」を冠したアンロック対応モデルゆえに、TDP(熱消費電力)が高めに設定されている。
各モデルの標準TDPと最大TDPは以下の通りだ。
- Core i5-14600K:125W〜181W
- Core i7-14700K:125W〜253W
- Core i9-14900K:125W〜253W
先代までのアンロック対応品と同様に、最小でも100W超の消費電力を要求するため、PCに組み込む際は電源の容量(最大出力)はもちろんのこと、マザーボードの電源回路を気にする必要があるのも変わらない。
そこで実際の消費電力について、ワットチェッカーを用いて確認を行った。Windows 11を起動して10分放置した状態を「アイドル時」、3DMark 10のTime Spy Extremeを実行中の消費電力を「高負荷時の消費電力」として計測した結果は以下の通りだ。
- Core i5-14600K:アイドル88W/高負荷時367W
- Core i7-14700K:アイドル88W/高負荷時437W
- Core i9-14900K:アイドル89W/高負荷時519W
構成が異なるため単純比較は難しいが、第13世代Coreプロセッサの同等プロセッサと比べて「微増」と考えておくと良さそうである。
アンロック対応品を選ぶということは、それなりにハイエンドな構成を組むことになるため、最低でも850W以上の電源ユニットを用意しないとCPUとGPUに十分な電力供給ができず、パフォーマンスを発揮できなくなるだろう。
マイナーチェンジと侮るなかれ! 底知れぬ実力を秘めている
開発コードネームの通り、デスクトップ向けのCoreプロセッサ(第14世代)は第13世代からの“マイナーチェンジ”であることは間違いない。
しかし、動作クロックが向上した分の性能向上は間違いなくある。繰り返しだが、Core i7-14700KはEコアとL3キャッシュの増量分のパフォーマンス向上も期待できる。
値段や在庫次第だが、値段差が数千円レベルで収まるのであれば、マイナーチェンジと侮ることなく、第13世代よりも第14世代の同ランク品を買った方が良い。Coreプロセッサ(第14世代)を選んだ方が快適になるのは間違いないだろう。
その上で「底知れぬ」と評したいのが、今回は時間の都合でテストできなかった積極的かつマニアックなオーバークロック機能だ。そのままでも十分速いのは間違いないのだが、アンロックモデルにすぐに手を伸ばすアーリーアダプターな自作PCファンであれば、Coreプロセッサ(第14世代)は「Intelからの挑戦状」だということは、きっと分かるはず。
「間もなくオーバークロッキングの世界新記録が更新される」とIntelからあったように、これから提供されるツールをはじめ、スピードジャンキーなユーザーならきっといろいろ試したくなるだろう。
関連記事
- 最大6GHz駆動のデスクトップ向け「Core(第14世代)プロセッサ(アンロック版)」登場 ゲームの「AI最適化」にも対応
Intelが、デスクトップ向けの「Core(第14世代)プロセッサ」を発表した。例年通り、まずはアンロック対応製品から登場しているが、最上位製品が“定格で”6GHz稼働に対応したことや、Core i7プロセッサのEコアが4基増加したことが見どころである。 - 最大6GHz駆動! スペシャルなCPU「Core i9-13900KS」登場 実売価格は12.4万円弱
Intelが発売を予告していた「最大6GHz駆動の第13世代Coreプロセッサ」が突如登場した。日本における実売価格は12万4000円弱となっている。 - 「第13世代Coreプロセッサ(Raptor Lake)」登場 “世界最速”のアンロック対応デスクトップ向けから
Intelの第13世代Coreプロセッサが正式発表された。まず登場するのは、”世界最速”をうたうアンロック対応のデスクトップ向けモデルである。【追記】 - 第13世代Coreプロセッサ(Raptor Lake)はなぜ速い? コア数とキャッシュ容量増加が意味すること
Intelがついに発表した「第13世代Coreプロセッサ(Raptor Lake)」は、先代と同じくイスラエルの研究開発拠点が主導して開発された製品だ。同社はイスラエルの拠点を紹介するツアーにおいて第13世代Coreプロセッサの詳細を解説する説明会を開催したので、その模様をかいつまんでお伝えする。 - Eコアとキャッシュの増量でより強く! 第13世代Coreプロセッサの実力をチェック
Intelが発売したハイエンドデスクトップ向け「第13世代Coreプロセッサ」は、第12世代Coreプロセッサをさらに洗練したCPUだという。その実力はいかほどのものか、発売に合わせてチェックしてみた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.