約3年ぶりにモデルチェンジした「iPad mini(A17 Pro)」を試す 外観からは分からないスペックアップでクリエイターにもお勧めの1台に:本田雅一のクロスオーバーデジタル(1/3 ページ)
Appleが「iPad mini」を約3年ぶりにモデルチェンジした。ぱっと見では先代と変わらない外観だが、外観から分からない部分が進化している。
新しい「iPad mini(A17 Pro)」が、10月23日に発売される。搭載されるSoC(System on a Chip)がiPhone 13 Proと同じ「A15 Bionicチップ」から、iPhone 15 Proに搭載された「A17 Proチップ」に更新されているのが大きな違いだ。他にも対応するApple Pencilが「Apple Pencil Pro」に更新されたことも特筆すべきポイントといえる。Apple Storeでの販売価格は7万8800円(Wi-Fiモデル/128GB)からとなる。
一方で、この新しいiPad miniはボディーカラーとしてピンクの代わりにパープルが採用されるといった若干のアップデートはあるものの、先代の「iPad mini(第6世代)」から見た目でハッキリと分かる変化はほとんどない。そう言われると「性能が少し上がって、対応するペンが変わっただけ」と思ってしまいがちなのだが、そう単純なアップデートなのだろうか?
もう少し全体を俯瞰(ふかん)して見た上で、実際に使いつつ重要なポイントを掘り下げてみると、今回の新しいiPad miniは意外にも大きなアップデートだと分かった。約3年ぶりとなるモデルチェンジには、Appleの明確な“意図”が込められている。
CPU/GPUコアが刷新された効果は大きい
新しいiPad miniが搭載するA17 Proチップは、先代が搭載するA15 Bionicチップから大幅に性能向上している。CPUコアのパフォーマンスは最大30%、GPUコアのパフォーマンスは最大25%高速化向上しているという。推論演算を担う「Neural Engine」も最大2倍速となったため、「Apple Intelligence」にも対応している(※1)。
(※1)米国英語は10月に、他国の英語(オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、南アフリカ、イギリス)は12月に、他言語(中国語、フランス語、日本語、スペイン語)は2025年内に対応予定(参考記事)
中でも5基構成のGPUコアは、単に処理スループット(実効パフォーマンス)が向上したただけでなく、「ダイナミックキャッシング」「ハードウェアアクセラレーテッドメッシュシェーディング」、そして「ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシング」といった新機能を備えている。
今後、数年にわたってAppleが施すであろう多様なアップデートにも対応できる性能面の余裕も生まれた。
現在のiPad miniに満足しているユーザーからすれば、この性能向上は買い換えの大きな理由にならないのかもしれない。しかし、見た目にはあまり大きな違いはないと感じるだろうが、実際に使ってみるとiPad miniの使える“範囲”が広がったと思う場面が多かった。
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