ファイルメーカーPro ユーザーの現場を探る
第5回 歯科医療の現場を助ける「かかりつけ_helper」(2/4)
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デジカメと歯科医療の現場
「かかりつけ_helper」には歯科の臨床医が必要とする機能がいくつもつめこまれています。まず、撮影した口腔内写真画像の取り込み、加工、管理、そしてその口腔内写真が入った治療計画書の作成、見積書の作成、手紙・はがきの文面作成といった、さまざまな機能を盛り込んでいながら99,800円という、従来の同種のソフトウェアの10分の1以下という価格で提供しているのです。
いま、歯科医療の現場では、デジカメがブームなのだそうです。現在、歯科医師は治療のために口腔内、つまり口の中の写真を撮影する必要があるのだそうです。インフォームドコンセントを普及させるために、社会保険のルールとして治療計画書の作成と、そこに掲載する写真の撮影が必須となってきており、そうすると、標準的な歯科医で1日当たり50〜60点の口腔内写真を撮影する必要があるのだそうです。
この口腔内写真は奥が深く、いくつか写真撮影のための専門書もあるくらいで、写真撮影をするためには、一眼レフデジカメがよいとか、そこで使うストロボは、リングストロボというものでなければならないとか、かなり細かい技法があるのです。それだけではなく、撮影した写真を治療計画書で利用するにしても、引き出し線をつけたり、歯並びをわかりやすく表示するために水平の補助線をつけたりもします。従来であれば、写真1枚ずつ、Photoshopなどのフォトレタッチソフトを立ち上げて加工しなければなりませんでした。それを1日50回もやるのは大変なことです。
それ以前に、大量の写真を患者毎に管理していくのもパソコンの初心者には難しいことです。「フォルダやファイルということを知らずにデジカメを買う先生が大半で、撮影したものをどこに入れるか分からないとか、デジカメのメディアを1回撮影するたびに新しいものにしていた人もいた」(鷲沢先生)そうです。
そこで、「かかりつけ_helper」には、デジカメで撮影した画像を整理し、治療計画書で使える形にレタッチするための機能が加えられています。ファイルメーカーProの最新バージョンである6.0では、デジカメから画像をインポートする機能がついていますが、鷲沢先生が求める機能は、「インポートしたい画像の入っているフォルダ(つまり元フォルダ)を指定することにより、画像をインポートできること」「画像の反転が可能であること」「引き出し線やグラフを作ることができる」といったもので、ファイルメーカー標準ではそこまでは行うことはできません(もちろん、ほかのデータベースもできないことです)。
[松尾公也, ITmedia
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