MediaFLOの実証実験、沖縄のユビキタス特区でスタート
メディアフロージャパン企画が4月16日、沖縄県のユビキタス特区でMediaFLO方式による映像・音声の多チャンネル放送の実証実験を開始した。映像20チャンネル、音声3チャンネルを同時に配信する。
メディアフロージャパン企画は4月16日、沖縄県那覇市と豊見城市のユビキタス特区で、MediaFLO方式による多チャンネル放送の実証実験を開始した。実験期間は2009年秋までを予定している。
実証実験では、メディアフロージャパン企画が那覇市と豊見城市に設置した実験試験局から、映像20チャンネル、音声3チャンネルを同時に配信。さまざまな環境下で受信することで、この放送方式の特徴である周波数の利用効率の高さを実証する。また、送信側のパラメーターや屋内外での電波受信状況に応じた画質や音声の性能も評価し、事業化の検討に役立てる。
同社は今秋にも、コンテンツ制作会社や端末開発企業と協力して、チャンネル型サービスのリアルストリーミングやダウンロードサービスのクリップキャスティング、IPデータキャスティングの実証実験を行う予定。放送と通信の連携による新サービスの可能性を探るほか、地方自治体と連携した地域密着型コンテンツについても実証実験を行うとしている。
日本では、2011年に停波するアナログテレビの空き周波数帯を使って、モバイル機器向けの次世代マルチメディア放送が開始される予定となっている。
MediaFLOは、ISDB-Tmmとともに候補の放送規格の1つとして挙がっており、KDDIを主要株主とするメディアフロージャパン企画が、同技術を使ったサービスの可能性について研究・検討を行っている。ISDB-Tmmについては、NTTドコモとソフトバンクモバイルが支持を表明している。
次世代マルチメディア放送に関する周波数帯の割り当てや事業者の数、技術方式については、総務省が懇談会を通じて検討を進めており、2008年7月にサービスの提供に必要な技術的条件について、情報通信審議会での検討を開始。調査や検討は、情報通信審議会 情報通信技術分科会 放送システム委員会で行われ、2009年8月頃に答申を受けて関係規定の整備を行う予定としている。
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