VerizonのAndroid採用でAppleが神経をとがらせる10の理由:Does Droid?(1/2 ページ)
AT&Tとの独占契約期限を前に第2のキャリアを検討中とうわさのAppleにとって、VerizonとGoogleの提携はどんな意味を持つのか。
米Verizon Wirelessの顧客は先週末、GoogleのモバイルプラットフォームAndroidで動作するMotorola製の新しい携帯電話「Droid」の広告をたっぷり見せられた。
Verizon Wirelessはこの広告で、「キーボードを備えていない」「複数のアプリを同時に実行できない」といったiPhoneの数々の欠点を強調した。これはAppleを直接狙った攻撃だ。この広告を見て、iPhoneの機能をまねているがAppleのロゴが付いていない携帯電話のイメージが少し見えてきたという人がいるかもしれない。
全体としては、この広告は効果的だと思う。コンシューマーがDroidから何を期待できるかをうまく伝えている。それだけでなく、AppleがDroidに対して、また、GoogleとVerizonとの提携に対して不安を抱くかもしれない理由も、この広告で明確に示された。わたしのみるところでは、DroidはAppleを神経質にさせる可能性は十分にある。その理由を以下に示そう。
1. AndroidはiPhoneの真のライバル
タッチスクリーン環境を備えたほかの多くのプラットフォームとは異なり、AndroidはiPhoneにとって真のライバルだ。Androidは優れたソフトウェアだ。タッチスクリーンの応答性も全般的に優れている。そしてPalm Preとは異なり、Android携帯はこれまでのところ、ユーザーへの訴求力を損なうような重大な問題を経験していない。簡単にいえば、AndroidはiPhoneに代わる選択肢になり得るということだ。
2. アプリケーション
アプリケーションという点では、Appleは依然として王座に君臨しているが(何せ同社は8万5000本以上のプログラムを提供しているのだ)、Androidは2番手につけている。既に同プラットフォームは、1万本を超えるアプリをそろえている。Appleのアプリの数には及ばないが、より多くのAndroid携帯が出回るようになれば、同プラットフォームに目を向ける開発者も増えてくるはずだ。今後、比較的短期間で非常に多数のAndroid用アプリが登場することが予想される。
3. Googleはユーザーを理解している
Appleと同様、Googleもユーザーが携帯電話で何を本当に求めているのかを理解している。ユーザーは中途半端なタッチ機能は求めておらず、AppleがiPhoneで実現したタッチ機能に対抗できるようなデバイスを求めていることをGoogleは知っている。今のところ、Androidプラットフォームはそれに最も近い位置にある。もしDroidが宣伝文句通りであれば、iPhoneに匹敵するものになる可能性すらある。
4. Verizon Wirelessは巨大企業
Appleがいかに優れた企業であれ、また、同社がAT&Tに顧客を引き寄せた能力がどうであれ、Verizon Wirelessは何百万人もの会員を抱える巨大企業だ。同社がDroidの投入を、Android携帯とiPhoneとの戦いにすると決めれば、顧客の拡大を目指すAppleにとって、これは深刻な問題になる可能性がある。
5. 顧客の数は有限
上記4からいえるのは、Appleにとっては、できるだけ早くAT&Tのネットワークから抜けることが極めて重要だということだ。AT&Tのネットワーク上でiPhoneを使いたいという顧客の数は限られている。
Appleはこのことを念頭に置いておく必要がある。その巨大な規模を考えれば、Verizon Wirelessは、AppleがiPhoneを提供するための次のキャリアとなっていたかもしれない。しかしVerizon Wirelessがそれを望まないのであれば、Appleは困ったことになりそうだ。
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