Google、Android 2.1搭載の“スーパーフォン”「Nexus One」を発表
Googleが1月5日(現地時間)、自身が端末の開発に深く関わり、Android OSの性能を最大限に引き出したスマートフォン「Nexus One」を発表した。米国では即日販売を開始している。
Googleが1月5日(現地時間)、HTCと緊密に協力し、Android OS 2.1の持てる性能を最大限に引き出した、スマートフォンのさらに上を行く自称“スーパーフォン”「Nexus One」を発表した。
かねてからうわさがあったとおり、端末はGoogleがWebサイト(http://www.google.com/phone/)で即日販売を開始。米国、英国、シンガポール、香港から購入できる。米国ではSIMロックフリー版を529ドル、T-Mobileとの2年契約付きのものは179ドルで販売する。購入にはGoogleアカウントとGoogle Checkoutのアカウントが必要だ。なお日本からはまだ購入できない。
Snapdragon搭載、3.7インチ有機ELのタッチパネルディスプレイを装備
Nexus Oneは、HTCがデザインや製造を担当し、Googleが販売するAndroid OS 2.1を搭載した最新端末だ。これまでのAndroid搭載端末は、端末メーカーが開発して自社のブランドで販売していたが、Nexus OneはGoogleのブランドで販売するのが大きな特長だ。
3.7インチのメインディスプレイは有機ELで、タッチパネルを搭載。解像度はワイドVGA(480×800ピクセル)。プロセッサーはQualcommのSnapdragon(1GHz)で、512Mバイトのメインメモリと512Mバイトの内蔵フラッシュメモリを備える。microSD/microSDHC対応の外部メモリスロットもある。ディスプレイの下部には、「HT-03A」と同様のトラックボールも用意されている。2つのマイクで雑音を検出し、クリアな通話が可能なアクティブノイズキャンセル機能も備えた。
通信方式は、初期のバージョンではUMTS/GSM対応となるが、Verizon Wireless向けにCDMA2000対応版もリリースされる模様。UMTS版は2100/1700/900MHzに対応しており、GSM/EDGEの1900/1800/900/850MHzでの通信も可能。最大通信速度は下り7.2MbpsのHSDPAと上り2MbpsのHSUPAをサポートする。
IEEE802.11b/g/n対応の無線LAN、Bluetooth 2.1+EDR、GPS、電子コンパス、加速度センサー、照度センサー、近接センサーなどを装備。720×480ピクセル/20fpsでの動画撮影もできる500万画素のCMOSカメラ、LEDフォトライトなども備える。バッテリー容量は1400mAh。外形寸法は幅59.8×高さ119×厚さ11.5ミリ、重量は約130グラム。
前述のとおり、Nexus OneはGoogleのWebサイトで販売する。当初はSIMロックフリー版とT-Mobileとの契約がセットになったバージョンのみの販売となるが、2010年の春にはVerizon Wireless向けとVodafone向けのNexus Oneもリリースされる予定だ。販売地域や提携キャリアは今後増やしていく意向だという。なおAppleがiPodなどで行っている名入れサービスとほぼ同様のサービスも提供する。
日本向けの具体的な販売時期は明らかにされておらず、SIMロックフリー版が日本から購入できるようになるかどうかも不明だ。とはいえ、ソフトバンクモバイルが2009年冬/2010年春モデル発表会で、Nexus Oneとスペックがよく似た「3.7インチの有機ELディスプレイを装備したSnapdragon搭載のAndroid端末」を春にリリースすると予告している。これがNexus One、もしくは同等のHTC製端末である可能性はある。
Android 2.1の新機能も披露
Nexus Oneの発表会では、Android OS 2.1で実装された新機能も披露された。今回のバージョンアップでは、ホーム画面のカスタマイズ性が向上。パネルは従来3面だったものが5面に増え、これまで以上にショートカットやウィジェット、アプリなどをデスクトップに置けるようになっている。背景の壁紙は、従来の静止画に加え、リアルタイムで描画される「Live Wallpaper」が利用可能になった。水面のようなエフェクトをかけた背景を楽しむことができる。
また高性能なプロセッサを搭載したモデルが増えてきたのに合わせ、3D表示への対応も強化されており、Nexus Oneではメニューの3D表示なども用意。アイコンが並んだ画面を上下にスクロールさせると、円筒を回すようなエフェクトで表示する。撮影した写真を表示するGalleryにも、多数のエフェクトを用意した。Galleryは日付や時間、場所などで写真をまとめて表示する機能も備えている。Google Picasaと自動的に同期する機能も用意した。
このほか、音声検索機能が標準装備となった点にも注目したい。Android 2.1ではすべてのテキストフィールドが音声認識に対応しており、ソフトキーボードの代わりに音声を使って入力する「Voice Keyboard」が利用可能だ。ホーム画面に用意されたGoogle検索ウィジェットから音声入力を利用して検索をすると、GPSで位置情報を取得し、現在地から目的地までのナビゲーションをする、といったことも簡単にできてしまう。音声でメールの本文を書いたり、あるいはTwitterのツイートを音声で入力したりも容易に行える。
近日配布予定のGoogle Earth for Androidのデモも行われ、Nexus One上では3Dのスムーズな表示が可能なこと、PC向けのGoogle Earth同様にタッチパネルで軽快に操作できること、音声検索と組み合わせ、目的の場所が簡単に探せる様子なども紹介された。
Motorolaの「DROID」など、既存のAndroid 2.0搭載機向けには、近日中にアップデートがリリースされる予定で、ほぼ同等の機能が利用可能になるという。
関連キーワード
Android | Android 2.0 | Androidアプリ | Google | Google Checkout | Google音声検索 | Nexus One | Open Handset Alliance
関連記事
- ソフトバンク、Android携帯を来春発売
ソフトバンクからGoogleのAndroidを搭載した携帯電話が登場する。 - Google Nexus OneはiPhoneキラーか
間もなくGoogle携帯「Nexus One」が発表されると言われているが、ABI Researchのアナリストは「どんなものでもiPhoneキラーにはならないと思う」と話している。 - 名前の由来はブレードランナー? Google「Nexus One」の10のポイント
Google携帯「Nexus One」の話題がWebを席巻し、1400本を超えるニュースが生まれている。そうしたたくさんの記事を読んで、重要ポイントや面白いうわさをまとめてみた。 - Google「Nexus One」――その開発動機と成功の可能性
Googleはなぜ、既存のAndroid携帯を脅かすような自社製携帯投入に踏み切ったのか。またキャリアによる販売奨励金なしでの販売モデルは成功するのか。――アナリストが分析する。 - Googleケータイ「Nexus One」、写真がネットに流出か
GoogleブランドのAndroid携帯「Nexus One」は、SIMロックフリーでGoogleが直販すると報じられている。この端末の写真らしきものもネットに投稿されている。 - Google、独自携帯「Nexus One」を2010年投入?
GoogleがAndroid携帯「Nexus One」を投入すると報じられており、GoogleはAndroidデバイスを社内テストしていることのみを認めている。 - Wi-Fi対応端末を8機種展開――ソフトバンクモバイルの2009年冬・2010年春モデル22機種
ソフトバンクモバイルが2009年冬モデル11機種、2010年春モデル11機種の計22機種75色を発表した。スマートフォン3機種を含む、Wi-Fi対応モデル8機種をラインアップし、無線LANを利用したケータイ活用を提案する。 - 携帯電話のセンサーとGoogleのクラウドが融合――「Google音声検索」
ケータイに音声入力することでGoogle検索ができる「Google音声検索」がスタートした。まずはiPhoneとAndroid端末が対応する。グーグルの井上氏は同サービスについて、「携帯電話のセンサーとGoogleのクラウド技術を組み合わせた第1弾のサービス」と説明する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.