日韓で使える“かざす”携帯サービスを KDDI、ソフトバンクらがNFC携帯の実証実験
KDDI、ソフトバンクモバイルら7社が、日韓で使える“かざす”携帯サービスの実現に向けた実証実験を開始。電子マネーやスマートポスターの活用を検証する。
KDDIとソフトバンクモバイルは、携帯電話をかざして利用するさまざまなサービスを、日韓両国で使えるようにするための実証実験を開始する。
携帯電話をかざして利用するサービスは、日本や韓国でもすでに提供されているが、利用する技術が異なるため、相互利用ができないのが現状。実証実験では、米GoogleがAndroid 2.3でのサポートを表明するなど、サービスの広がりが期待される近距離無線技術「モバイルNFC」を双方が採用し、相互利用の可能性を探る。
KDDIとソフトバンクモバイルは2010年7月、SK TelecomとモバイルNFCを活用した日韓共通サービスの可能性を共同で検討する覚え書きを交わしており、今回の実証実験はその一環として行うもの。2月から、電子マネーサービスとスマートポスターを通じた情報配信サービスの実証実験を実施し、実験にはクレディセゾン、オリエントコーポレーション、大日本印刷、凸版印刷、T-Engineフォーラムが協力する。
電子マネーサービスは、MasterCardのPayPassとT-Cashの実験を実施。PayPassは、日本の千葉、神奈川のショッピングモールなど約300店舗、韓国のソウルや釜山のコンビニなど2万5000カ所に専用レジを設置し、USIMカードにPayPassを格納した携帯電話をかざして決済できる環境を用意する。T-Cashについては、ソウル市内の鉄道、バス、タクシー、コンビニで使えるようにする。
情報配信については、東京のDNP五反田ショールーム、印刷博物館、銀座の街路灯約110カ所、ソウル市内のCOEXや飲食店など約150箇所にNFCタグを埋め込んだポスターや地図を掲出。携帯電話をかざして情報を取得できるようにする。
実証実験に利用する端末は、KDDIが東芝製「biblio」ベースの携帯電話、ソフトバンクモバイルがHTC製Androidスマートフォン(予定)、SK Telecomがフィーチャーフォンと「Galaxy S」ベースのAndroidスマートフォンとしている。
関連キーワード
実証実験 | 携帯電話 | NFC(Near Field Communication) | PayPass | 大日本印刷 | 電子マネー | KDDI | クレディセゾン | ソフトバンクモバイル | MasterCard | SK Telecom | 凸版印刷
関連記事
- ソフトバンクモバイルやHTCら、Android 2.2スマートフォンでNFCの実証実験
ソフトバンクモバイルやオリコ、クレディセゾン、ジェムアルト、HTCなど8社が、Android 2.2搭載スマートフォンを利用したNFCによる非接触決済の実証実験を行う。 - Androidに「おサイフ」機能 最新版「Gingerbread」発表
Android 2.3「Gingerbread」では、近距離無線技術NFC(Near Field Communications)を使ったモバイル決済が可能になる。 - KDDI、ソフトバンク、SK Telecomが“ケータイをかざす”共通サービスの検討を開始
日本のKDDIとソフトバンクモバイル、韓国のSK TelecomがNFCの利用で協力し、ケータイをかざして使うサービスの共通化を検討する。将来的には相互利用を可能にしたい考え。 - KDDI、NFCケータイを決済以外にも活用する実証実験を開始
KDDIが5月1日から12月31日まで、NFCケータイを決済以外の用途にも活用する実証実験を開始すると発表した。東芝製端末と専用au ICカード、専用サーバなどを用意し本格的な検証を行う。 - ギャラリーと書店でNFCケータイの実証実験――大日本印刷
大日本印刷が、書店とギャラリーでNFCケータイの実証実験を開始。KDDIが行う実証実験のパートナー企業として実施する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.