人にカメラをかざすと“誰だか分かる”――ARアプリ「remembAR」:まるで東のエデンシステム
友人にカメラを向けるとその人の名前が浮かび上がり、出会いを簡単に記録できる――そんなAndroidアプリ「remembAR」が登場した。Facebookの情報と顔認識技術を連携させて実現。β版で動作は安定していないが、ちょっとしたSF気分を味わえる。
remembAR開発チームはこのほど、「誰といつどこで会ったか」を簡単に記録できるAndroidアプリ「remembAR オープンベータ版」を公開した。友人の顔にカメラをかざすと、その人のFacebookアカウントが画面にAR表示され、「meetボタン」を押すことでその時の「出会い」を記録できる仕組み。アプリはAndroidマーケットで無料でダウンロードできる。
face.com APIとOpenCV APIを活用した顔認識技術、Facebook APIを活用し、サービスを実現した。Facebook上で「友達」になっている相手のプロフィール写真やタグ付けされている写真と、カメラに写る顔を照合し、人物を判定している。「プロフィール写真に顔が写っていない人でも、タグ付けされている写真が十分にあれば、9割以上の精度で認識する場合もある」という。
相手を認識した後は、「meetボタン」を押すだけで相手と出会った時間や場所、回数などが記録され、リスト画面で確認できるようになる。出会ったことをFacebookに自動投稿する機能などもあり、初期設定ではオンになっている。10回目、100回目といった、会った回数の節目でお祝いをしたり、相手の名前を思い出すのにアプリが役立つとしている。
Facebook上で友達になっている相手に対してのみ機能を利用できるようにし、プライバシーに配慮した。例外は、Facebook上のイベント主催者が事前にイベントとremembARを連携させ、そのイベントに参加した場合。初対面の相手でも機能が使え、簡単に友達申請ができるという。
実際にアプリを試してみると、正しく相手を認識してFacebookの情報が浮かび上がることもあれば、別人の情報が浮かび上がることもあった。開発者によれば、Facebook上の写真のデータ化は徐々に行われるため、時間とともに認識精度は高まっていくとのことだ。β版ということもありアプリが時折強制終了するなど、安定性に欠ける面はあるが、試してみるとちょっとしたSF気分を楽しめるだろう。
remembAR開発チームは、開発者や起業家向けのイベント「StartupWeekend」を通じて知り合ったメンバーらで結成。代表は開発者・起業家の麻植泰輔氏が務めている。今後のremembARの展開は、ユーザーの動向を見ながら決めていくという。
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