第14鉄 「きらきらうえつ」で眺める、とっておきの夕陽杉山淳一の +R Style(1/4 ページ)

» 2009年10月03日 07時30分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]

 印象に残る旅の風景を挙げていくと、朝日と夕陽が多い。夜は何も見えないし、真昼は見たくない物までさらけ出してしまう。寝台特急が消えていく中、車窓からの朝陽を拝む機会は減ってしまった。しかし夕陽の見どころは多い。

 今回は、汽車旅好きにオススメの夕陽を紹介しよう。JR東日本のジョイフルトレイン「きらきらうえつ」だ。この列車では、秋の一時期、夕陽のために笹川流れで長時間停車する「夕陽ダイヤ」を設定している。

今回のルート(GoogleMapsで、筆者による地図のコメントと説明を確認できます)

乗って楽しい、降りて楽しい「ジョイフルトレイン」

 日本海側の羽越本線を走るジョイフルトレイン「きらきらうえつ」は、週末に新潟駅と山形県の酒田駅を結ぶ快速列車だ。下り列車は新潟駅10時15分発、午前中の淡い光の中を北上する。広大な新潟平野を過ぎ、山形県との県境付近で日本海に沿い、肥沃な庄内平野まで走る。終着の酒田駅着は12時51分。初夏から初秋にかけてはさらに北上して象潟駅へ延長運転する。折り返す上り列車は、象潟駅15時24分発、酒田発は16時11分、終着の新潟駅には18時28分に着く。「きらきらうえつ」という列車名は、日本海のさざ波がキラキラと輝く風景に由来するのだろう。

 車両は「きらきらうえつ」専用車両の485系700番台を使用する。485系は国鉄時代に日本各地で活躍した特急用電車で、現在も関西と北陸を結ぶ特急「雷鳥」などにほぼ原型のまま使われている。ただし、「きらきらうえつ」用の700番台は特別な改造が施されている。モーターや台車などの足回りはそのままに、車体は新たにジョイフルトレイン仕様として製造し、そっくり載せ替えた。

「きらきらうえつ」485系700番台(左)。運転台直後は展望スペースになっている(右)

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