この個室は、狭いながらもなかなか機能的にできている。ベッドの窓際には背もたれとひじ掛けがあって、寝ないときはいすとして使える。寝るときはひじ掛けを跳ね上げればいい。ベッドの高さは低いが、寝相が悪い人のために安全柵を下から引き出せる。通路側には読書灯がある。その周りに室内灯と足下照明のスイッチ、暖房調整つまみ、換気扇のスイッチがある。通路側も窓があるから、列車の左右の車窓を楽しめる。
北陸の2号車にはシャワールームが2つある。ここを利用するには、車掌さんからシャワーチケットを購入する。料金は1回310円だ。洗面用具を持っていなくても、車掌さんが販売としているから大丈夫。ただし、列車に搭載できるお湯の量が決まっているから、シャワーチケットは数に限りがある。早めに入手しよう。揺れていると洗いにくいから、発車前に浴びるといい。そのためにも入線時刻をチェックしておきたい。
シャワールームは1畳ぶんほどの広さ。手前の半畳が脱衣場で、扉を開けた奥の半畳が洗い場だ。シャワーチケットを機械に挿入すると稼働開始。お湯が出る時間は6分間だ。短いな、と思ったけれど、栓を閉じている時間はカウントされないので意外と十分な時間である。1分で温度を調節して、1分半で体を濡らしてお湯を止め、石けんとシャンプーで身体を洗って1分半で流す。横幅の大きな私の身体で2分ほど余った。長髪を洗うにはギリギリという時間だろうか。
個室に戻って服を脱ぐ。カーテンを閉め、気楽にTシャツと短パン姿になれるところも個室のいいところだ。浴衣も用意されているが標準的な体格の人向けだ。残念ながら私には無理だった……。
楽な姿になったところで遅めの夕食。北陸には食堂車がないので、乗車前に食事を済ませておくか、駅弁を調達する必要がある。北陸は海の幸が豊富で、駅弁も有名な「ますのすし」など魚介系が多い。しかし私は魚介がダメなので大友楼の「特製牛肉弁当」を買っておいた。列車が揺れて眠れない、と心配ならお酒もいただく。流れていく夜景を眺めつつ味わう、うまい駅弁にうまい酒。至福の時間である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング