1940年東京生まれ。日本大学芸術学部放送学科卒業。文化的側面からクルマを斬る自動車評論家。輸入車がレアだった45年以上前に、「旅行に行くから」と言って借りた、父のノーマルのベンツでラリーに出場し、優勝したという、やんちゃな過去も。
※この記事は、LUXURY TVより転載しています。
「エコ」の名の付くものは、どうしても地味なイメージが付きまといがちです。しかし、ホンダCR-Zは違います。CR-Zはハイブリッド車ですが、決して地味な存在ではありません。
いや、その姿はまさにスポーツカーのそれですし、若々しくもあるし、華やかさもあります。いちばんシンプルにいえば、「カッコいい!」という表現が当たっていると思います。
いろいろなものが均質化する方向に向かっているいま、われわれ消費者がもっとも望むものは、心地よい使い勝手と心惹かれるデザインでしょう。ホンダCR-Zにはそれがあると僕は思っています。
定員は4名ですが、後席は「緊急用補助席」的実用性しかありません。でも、カッコいいから許せますし、中途半端な実用性を求めて、カッコよさを犠牲にしなかったホンダのやり方には賛成です。
2シーターとなると台数的に多くは望めませんが、それを承知で「エコとカッコよさ」を結び付けたホンダの決断に拍手です。4シーター車がなければ厳しいですが、ホンダにはすでにインサイトがあるし、次なるHVモデルも着々と準備が進んでいるようなので、CR-Zはエコカーにも「カッコよくて運転が楽しい」クルマもあるといったイメージ作りに専念すればいいのです。
1.5リットルエンジンを基本的な動力として、必要に応じてモーターによるアシストをするシステムはインサイトと同じです。ノーマルとECONモードでは、いかにも「エコカー的」な平凡な走りに終始しますが、スポーツモードを選ぶとがぜん雰囲気は変わります。
モーターのアシスト量が増して、実に気持ちのいい加速を楽しませてくれるのです。身のこなしもなかなか軽快です。CR-Zはエコだけでなく、お洒落にも乗れるクルマです。2人乗りで用が足りる人には、お勧めです。
あるいは、ファストカーにCR-Zを使って、セカンドカーに4シーターを使うというのもいまの時代に合った、とてもスタイリッシュな選択だと思います。
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