熱帯の草原(サバンナ)に生きる野生動物の群れを、離れた場所やクルマの窓越しに双眼鏡などを使って観察する──“サファリの旅”というと、日本ではそんな東アフリカのツアーを連想する人が多い。地域としては、ケニアやタンザニアを中心に、ルワンダ、ウガンダなどだ。だが、わたしが今回の旅で目指したのは、南アフリカ共和国だった。南アフリカなら、窓のないオープンの四輪駆動車や徒歩でアプローチし、動物たちをもっともっと身近に感じられると考えたからである。
しかし、いざ行くとなると、アフリカは遠い。地球の真裏に位置する南米とともに、距離的に日本と最も遠く離れているのがアフリカだ。日本から直行便が就航しているのは唯一、北アフリカのエジプトだけ。それ以外の地域にダイレクトに飛ぶことはできない。さて、ではどんなルートでアクセスするのが、ラクで効率的か?
手もとにある地球儀を指先で回してみる。アフリカ諸国の中でもとりわけ経済発展の著しい南アフリカ共和国のヨハネスブルグへは、フランスのパリやドイツのフランクフルトなど、ヨーロッパの各都市から数多くの直行便が運航されている。けれども、日本から北回りでヨーロッパへ飛び、そこから延々南下するというのはどう考えても非効率的。では、東京(成田)からヨハネスブルグまで地球議の上に真っ直ぐなラインを引いてみるとどうか? そのほぼ途上に位置するのが香港、バンコク、シンガポールといった東南アジアのハブ空港だ。南アへは、そのいずれかを経由するのが一番の近道だろう。各空港を拠点とするキャセイパシフィック航空、タイ国際航空、シンガポール航空ともに、日本からスムーズな乗り継ぎでヨハネスブルグに早朝に到着する便が設定されている。
その中から今回わたしが選んだのが、タイ国際航空のバンコク経由便だった。効率的なルートとはいっても、東南アジアの都市までは成田から5〜6時間、そしてそこからヨハネスブルグまでは11〜12時間かかる。体力的にもハードな旅になることが予想されるので、現地に入るまではできるだけ“元気”を温存しておきたい。そのためには、自然体のもてなしで定評がある“微笑みの国”のエアラインで、長時間フライトをタイ人クルーたちのサービスに癒されながらリラックスして過ごすのがいいと考えたのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング