──まずは24時間飛行の成功、おめでとうございます。当日は天候にも恵まれたようですね。
ボルシュベルグ 天気はそれほど気にしていません。ある程度の風は想定して設計していますし、プロジェクトのメンバーには気象の専門家もいます。よく「天気が悪い日は太陽エネルギーが吸収できないのでは?」といった質問も受けますが、雲が多くてもその上(高度8500メートル)を飛ぶので、太陽光を受けるのに雲の多い少ないは問題ではありません。
──2009年の最初のフライトでは機体を地上からわずかに浮かせ、その後は1000メートルくらいの高度での飛行を繰り返してきましたね。それまでの実験と、今回の高度8500メートルを飛ぶというのとは、やはりずいぶん違うものでしたか?
ボルシュベルグ いきなり高度8500メートルを飛んだわけではなく、その間もステップ・バイ・ステップで高度を上げ、機体にどんな影響が出てくるかを確認しながら進めてきました。ですので、高度8500メートルも驚くほど過酷な状況ではなく、それまでの経験の延長線上だったというのが実感です。
──でも、寒さなどは相当のものだったのでは?
ボルシュベルグ たしかに。地上とは30度近く差がありましたからね。機内もマイナス20度ですが、電力は基本的に飛ぶためにしか使えない。ヒーティングに使う余裕がないので、身体の保温には気をつかいました。
──太陽が沈んでから再び昇るまで、ずっと空中を飛び続けられるかどうか。その点はやはり、コクピットにいてずっと心配だったと思いますが。
ボルシュベルグ 最初のうちは「本当にできるんだろうか?」とクエスチョンマークを心のどこかにずっと持っていました。しかし実験を重ねるにしたがって成功への確信に変わり、実際に飛ぶときには不思議なほど心やすらかでしたよ(笑)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング