第48鉄 金八先生の桜とスカイツリーを見に行く――ちょっとだけ東武伊勢崎線杉山淳一の+R Style(4/6 ページ)

» 2011年05月18日 13時45分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]

桜中学は「東京未来大学」になっていた

 次に目指したところは堀切駅。ドラマ「3年B組金八先生」の舞台となった街だ。金八先生は下宿先や自宅から徒歩で通勤していたけれど、堀切駅は生徒が高校入試に向かう場面などでたびたび登場した。駅舎を上から撮っていた場面、クレーンを使ったのかな、と思ったけど、なんとそこには歩道橋があった。誰でもあの角度から、駅舎の写真が撮れる。

 さて、桜中学のロケ地となった「足立区立第2中学校」は堀切駅に隣接していた。現在は廃校になってしまい、跡地を「東京未来大学」が使用している。元の校舎を残して改装したというけれど、校庭に当たる部分に新たな建物を作ったため、ドラマ時代の姿ではなかった。意外なことに、足立第2中学がメインで使われた時期はTVシリーズの半分ほど。1979〜1980年の第1期と、1999年からの第5期、2001年からの第6期、2004年からの第7期だった。第1期の内容が中学生の妊娠という内容だったため、学校側がその後のロケ地使用に難色を示したという。第5期から再び足立第2中学に戻ったが、第8期の時は廃校になっていた。

 「桜中学の桜」は、堀切駅側に1本、時計塔のそばに1本と、ちょっと寂しい。外から見えない旧校庭側にはもっとあるのかもしれない。許可を得て見学しようかと思ったけれど、最近は安全上の問題で難しいかもしれないと引き返した。実はここに、地元の有志が「金八先生記念館」を作るという話もある。30年以上も続いた国民的ドラマの聖地として、教室を当時のままに保存し、番組ゆかりの品々を展示する構想とのこと。ぜひ作ってもらいたいと私も思うけれど、資金面で停滞しているらしい。

 線路をまたぐ歩道橋で荒川河川敷に出た。ここも金八先生でおなじみのロケ地。ドラマのオープニングで「学校へ向かう金八先生がジョギングする金髪女性にニコニコする」というお約束の地だ。緑の芝が広がる水辺。金髪女性は居なかったけれど、トレーニングウェアで頑張るおじさんがいた。そして振り返れば京成本線の鉄橋。しばらく待っていると新型スカイライナーがやってきた。ここは鉄道ファンにとっても楽しい散歩道だ。

金八先生の舞台、堀切駅。左隣に「桜中学」の校舎がある(左)。足立第2中学は廃校となり、その跡地を東京未来大学が利用している(右)

金八先生の通勤シーンでおなじみの風景。遠くに東京拘置所も見える
京成本線の鉄橋を走る新型スカイライナー

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