タフなクルマ――SLRマクラーレンロードスター岡崎宏司のクルマ DE トリップ(1/3 ページ)

» 2011年06月27日 13時14分 公開
[岡崎宏司,LUXURY TV]
LUXURY TV

著者紹介:岡崎 宏司(オカザキ コウジ)

1940年東京生まれ。日本大学芸術学部放送学科卒業。文化的側面からクルマを斬る自動車評論家。輸入車がレアだった45年以上前に、「旅行に行くから」と言って借りた、父のノーマルのベンツでラリーに出場し、優勝したという、やんちゃな過去も。

※この記事は、LUXURY TVより転載しています。


 F1の盟友、メルセデスとマクラーレンが手を結んでスポーツカーをつくる……。まさに超一流同士のコラボレーションであり、その答えが並のものでないだろうことは容易に想像はつきます。

 事実、SLRの中身はハンパなものではありませんでした。まず、デザインスタディの形でお披露目されたのが、1999年の東京モーターショー。「ヴィジョンSLR」の名でメルセデスのブースを飾った、大迫力のロードスターの姿を覚えている方も少なくないはずです。

SLR プロポーションは、1959年代のFRレーシングマシンのようです

 そして、正式にデビューしたのは、2003年のフランクフルトショーです。ショーの前夜祭、「メルセデスナイト」でのお披露目の様子は、このブログでも以前ご紹介しています。

 直感的にF1のノーズコーンを連想させるノーズのデザイン、否応なく人目を引くウィングドア、長大なノーズがイメージさせる強大なパワー。メルセデスSLRマクラーレンの存在感には、異様な、といえるほどの迫力があります。

SLR サメのエラのようなフロントサイドのエアアウトレット、その下に突きだしたエクゾーストパイプ……大迫力です

 2009年5月で生産は終わり、現在、その地位はSLS AMGにバトンタッチされていますが、前回、SLS AMGを紹介したので、今日は、SLRマクラーレンを紹介することにしました。

 ちなみに、今日紹介するロードスターは、2007年からラインアップに加えられました。SLRマクラーレン最大の特徴は、カーボンコンポジットを主体にしたモノコック構造のボディでしょう。その目的はもちろん軽量化と高剛性のハイレベルでの両立です。

SLR リアのフロア周りも徹底的に空力性能にこだわっていることが分かります
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