2011年の東京デザイナーズウィークで一番気持ちが良かった作品(2/2 ページ)

» 2011年11月17日 08時00分 公開
[林信行,エキサイトイズム]
エキサイトイズム
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ミラノで注目された最強タッグの作品

 実は、これが展示されるのは初めてではなく、2011年8月下旬に開催されたグッドデザインエクスポ2011でも同様の展示が行われていた。そこで一目惚れした後、今回、あの展示に再び会えると聞いて楽しみにして東京デザイナーズウィーク2011に足を運んだのだが、ただ、同じ展示を繰り返すのではなく、ブースの構成やインスタレーション映像が大幅にグレードアップしていた。

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 グッドデザインエクスポでは、平らな壁に並んでいただけの展示だったが、今回はその平面を2つ用意し頭上でアーチ状につないだ。まるでパレットUIの画面の色の虹や情報の架け橋を象徴しているようだ。

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 さらには新しい操作としてピンチ(つねる)操作も加わった。ピンチとは、親指と人差し指を画面に置いて、その間隔を広げたり(ピンチアウト)、狭めたり(ピンチイン)する操作。タッチスクリーンといえば、多くの人が真っ先に思い浮かべる操作で、ピンチイン/アウトでスマートフォンから波紋が広がったり、吸い取られたりすることで上下に流れる映像モチーフが切り替わるのだ。このときの効果音も絶妙で、うまく遊んでいれば音楽が奏でられそうだった。

 ブースのデザイン監修は建築事務所のトラフ建築設計事務所で、インスタレーション映像を制作したのはWOW――今年、イタリアで開催されたミラノサローネで大きな注目を集めた作品を生み出した強力タッグだ。

 アーチのようなブースデザインもそうなら、そのアーチの向こう側、人の頭で隠れない高さの所にdocomo Palette UIのコンセプト「∞/1」の数字が描かれているのも強く印象に残る。

 東京デザイナーズウィークの会期はわずか6日間。今後も、その6日間を一生思い出せるような、こうした鮮烈なインスタレーション展示が増えてくれないかと楽しみにしている。

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