シングルモルトウイスキー「ザ・グレンリベット」を飲み比べてみた誠編集部員の舌は確かなの?(1/2 ページ)

» 2012年01月20日 10時00分 公開
[岡田大助,Business Media 誠]

 「ザ・グレンリベット」という名前のウイスキーがある。スコットランドのスペイサイドにある“リベットの谷”で生まれたシングルモルトウイスキーだ。その歴史は古く、1822年には、当時、密造酒だった「ジョージ・スミスのウイスキー」を英国王ジョージ4世が所望したという記録が残っている。

ザ・グレンリベット 「ザ・グレンリベット」(出典:ペルノ・リカール・ジャパン)

 ジョージ・スミスの蒸留所は1824年に政府公認第1号の蒸留所となった。その後、品質の高さと名声にあやかろうと多くの模倣者が登場し、現在確認できるだけでも25もの「グレンリベット」が存在したという。1884年、ジョージ・スミスはグレンリベットの名前を守るために提訴。以来、定冠詞のTheを付けてザ・グレンリベットと名乗る唯一のウイスキーとなった。

 そんな由来を持つザ・グレンリベットを日本国内で販売するペルノ・リカール・ジャパンが、ファン向けのWeb会員組織「ザ・グレンリベット ガーディアンクラブ」を2011年10月にスタートした。さまざまな会員向けプログラムが提供されているが、ブランドの歴史や製法、こだわりなどの知識を深め、認定テストに合格すると「ガーディアン・アンバサダー」を名乗ることができる(何と50枚の名刺と特製名刺ケースがもらえるという)。

 前置きが長くなったが、2011年のクリスマス直前にBusiness Media 誠編集部と誠 Style編集部に「ホームテイスティングキット」が送られてきた。本来、ガーディアン・アンバサダーにならないと提供されない限定プログラムだが、これ幸いとばかりに編集長以下、ウイスキー素人の誠編集部員が会社の会議室でザ・グレンリベットの12年、15年、18年を飲み比べてみた。

ザ・グレンリベット ザ・グレンリベットのホームテイスティングキット。グラスは含まれていないので別途用意する必要がある

ザ・グレンリベット“で”親しき友と楽しむのだ

 ホームテイスティングキットには、12年、15年、18年もののザ・グレンリベット(50ミリリットルボトル)、ホスト用のブランドガイド、アロマチャートやフードペアリングについて描かれたテイスティングリーフレット、テイスティングマットが含まれる。

 ウイスキーのテイスティングは、色、香り、味わい、フィニッシュ(余韻)の違いを楽しむもの。専用のテイスティングノートも用意されているが、利き酒の専門家として活躍するわけでもないし、ホームテイスティングパーティを開いてザ・グレンリベットを肴に自由に楽しめばいいのだ。

 さっそくテイスティングにチャレンジしてみよう。まずは3つのザ・グレンリベットの色を見比べる。パッとみて、熟成が進んだものほど色が濃いというのは分かるが、微妙な差を何と表現すればいいのか分からない。

ザ・グレンリベット テイスティングは色の違いから始める。左から12年、15年、18年

 最近、誠 Biz.IDの企画「面白ビジネスグッズでモテる?」で、脱非モテと称してキャバクラデビューを果たしたホリウチ記者が、ワイン漫画で得た知識をフルに注ぎ込んでコメントを考えている。

ホリウチ 「12年ものは、まるで9月の夕暮れのような金色……」

一同 「おお!?」

ホリウチ 「そして15年ものは、まるで10月の夕暮れのような……」

一同 「……。」

ザ・グレンリベット ホリウチ記者が果敢にチャレンジ

 一流ソムリエのようなポエムを考えなくても大丈夫だ。ザ・グレンリベットの会員向けWebサイトでは、淡い金色から濃い琥珀色までの専用カラーチャートを用意している。実物と画面を見比べながら色を記録できるようになっているのだ。

 同様に、香りや味わい、フィニッシュなどにもチャートが存在する。香りは、「フルーティー」「フローラル」「バニラ」「ウッディ」「シェリー」「スパイシー」という6分類をそれぞれ5段階で評価できる。甘い香りがすると思えばバニラを、花の香りがすると思えばフローラルを高めに評価すればいい。

 実際に編集部員も「熟成が進むにつれて、複雑で表現しにくい」「12年はさっぱりしていて、花の香りだと分かる」「15年がナッツの香りでウイスキーらしい」など、それっぽく評価を下していた。ここでほんの少しだけ加水するとウイスキーの香りが一気に開き、より分かりやすくなる。

 さて、味わいとフィニッシュの違いだが、前者はウイスキーを口に含んで数秒待ち、感じた質感と風味を表現し、後者は飲み下した後で広がる風味を表現するというもの。「うまい!」とか「きつい!」とかではないのだ。

 これも専用チャートが用意されており、「感じた味わいを表す5つの単語を選択せよ」と指示されている。だが、ちょっと待て。「わずかに甘い」とか「さっぱりした」というキーワードは理解できるのだが、「タフィー」「マジパン」「草刈り」「木」「カラスムギ」「ベルベット」などというのは味わったことがない……。タフィーのように食べ物ならまだしも、草刈りとか木とか困ったものだ。

ザ・グレンリベット 初めてのテイスティングで表現に困り、キット付属の資料を熟読する編集部一同

 といった雑談をしながらテイスティングは和気藹々と進む。ホリウチ記者に至っては「12年がうまい。口に含んだときは子牛のようだが、後味は暴れる雄牛のようだ」などといいだし、すっかり酔いが回ったようだ。

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