日本の空の表玄関である成田空港では、海外から多くの旅客便や貨物便が舞い降り、そしてほぼ同じ数の便が世界に向けて飛び立っている。1日の発着数は約500便。その1便1便の運航の舞台裏では、さまざまな人たちが活躍している。ここに紹介するのは、日々のフライトを支えるプロフェッショナルたちのドラマだ(写真提供:チャーリィ古庄)。
「おはよう!」
ベテラン機長から背中越しに声がかかると、若い副操縦士はやや緊張した面持ちで振り返った。
「あ、機長。おはようございます。本日はよろしくお願いします!」
2人が揃って姿を現したのは、空港に隣接する運航乗務員のオペレーションセンターだ。その日のフライトに乗務するパイロットたちは、決められた時間に出社してくる。ショウアップの時間は出発時刻のおよそ1時間半から2時間前で、これは国際線も国内線も変わらない。
彼らの仕事は、コクピットに入る前からすでに始まっている。出社して最初の仕事は、ディスパッチャー(運航管理者)と呼ばれる人たちとのブリーフィングだ。飛行中に予想される天候の変化などの情報をもとにディスパッチャーがあらかじめ作成したフライトプラン(飛行計画)を入念にチェック。目的地までの飛行ルートや高度、搭載する燃料の量などについて目を通し、出発空港や到着空港での使用滑走路やアプローチ方法も確認する。同時に、その日のフライトでの注意点などについてもディスパッチャーを交えた話し合いが進められる。
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