機内で出会う乗務員たちは、空港にはいつごろ現れ、出発までの時間を空港のどこで何をして過ごしているのか? 気になっている人も多いだろう。機長の仕事を中心に旅客機運航の舞台裏をレポートした前回に引き続き、今回は客室乗務員の日々の活動に密着してみよう。
成田空港第1ターミナルに向かうと、南ウイングの手前に、全面ガラス張りのしゃれた斬新な建物が見えてくる。「ANAスカイセンター」の名前で呼ばれるこの建物は、ANAの客室乗務員たちにとっての重要な拠点だ。所定の時間になると、その日のフライトに乗務予定の客室乗務員たちが続々と出社してくる。
客室乗務員が姿を現すのも、パイロットと同じ出発時刻のおよそ2時間前である。彼女たちは出社すると、最初に乗務員カウンターに立ち寄り、その日の乗務スケジュールと各自のメールボックスに配布されている個別の連絡事項を確認する。その後は、フロアに設置されたパソコンや中央に置かれた掲示板で情報をチェック。パソコンには別のフライトから戻った客室乗務員からのレポートなどがアップロードされている。
「乗務員同士のコミュニケーションツールとして活用しています」と話すのは、入社2年目を迎えた若手CAの1人だ。「例えば先輩乗務員からの『フライトでこんなサービスを取り入れてみた』といった報告などは、ありがたいですね。お客さまに喜ばれるサービスは、私たちも積極的に試してみるよう心がけています」
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