節電の夏を乗り切るクールビズスタイルのポイント――NEWYORKERに聞く(1/2 ページ)

» 2012年05月08日 08時00分 公開
[Business Media 誠]

 2012年5月1日。ゴールデンウィークの谷間だが、全国の官公庁などでクールビズがスタートした。例年、6月〜9月がクールビズの実施期間(環境省の想定)とされているが、2012年は国内の原子力発電所が停止することによる電力不足を想定して、前後1カ月ずつ延長しているのだ。

 2005年から始まったクールビズ。ビジネスパーソンが本気で「夏場の軽装」に取り組んだのは、節電の夏となった2011年からだろう。

「2011年より前は、目にしたり耳に入ってくることでクールビズという言葉は知っているものの、実際にはスーツのまま、ノーネクタイスタイルで過ごされていた人も多かったのではないでしょうか。昨年夏は、そのような人たちが『どこまでがドレスコードとして許されるのか』という戸惑いを抱えつつ、夏の装いの取捨選択を考えさせられたシーズンだったと思います」

 こう振り返るのは、紳士ファッションブランド「NEWYORKER」などを展開するニューヨーカーの田村智秀さん(MD統括本部 紳士企画部 部長)だ。今年も節電の夏が予想される。田村さんにクールビズの着こなしを教わった。

ポイントは「その格好で、お客さまの前に出ていけるのか」

 クールビズのスタイルは、企業風土や文化の違いによって限りなくスーツスタイルに近いものから、デニムやTシャツでもOKというカジュアルなものまで幅広い。そのことがクールビズの装いを難しくしている。

「どこまでがクールビズなのかというラインは、会社によって違いが存在するので一概には決められませんが、NEWYORKERとして提案するクールビズスタイルはウィークエンドカジュアル的な装いです。具体的には1着でオンでもオフでも使えるアイテムということです。そして見極めのポイントとなるのは、それが涼しい格好かどうかではなく、その格好でお客さまの前に出て許されるかどうかだと思います」(田村さん)

 1週間をクールビズスタイルで着まわすならば、シャツが3枚、ビジネスポロシャツが2〜3枚あれば十分とのこと。最近では吸汗性と速乾性に優れた機能性を持つものが多く登場しており、1枚持っていれば週に2回着ることも可能だ。

NEWYORKER 吸汗性、速乾性に優れたCOOLMAXを使った長袖ボタンダウンシャツ(1万1550円)

「新たに上着を買い足す場合は、すでに持っているパンツを思い出してください。私たちもコーディネートする場合には、まずパンツを決めます。パンツの持つ素材感によって上着が決まるのです。ドレッシーなスラックスに合わせるならきっちりとしたデザインのものを、反対にリゾート風なパンツにはふわっとした感じの上着を合わせます。これを間違えると全体がちぐはぐなスタイルになります」(田村さん)

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