アリタリア-イタリア航空で、人気渡航先No.1のイタリアへ秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(2/5 ページ)

» 2012年06月26日 08時00分 公開
[秋本俊二,Business Media 誠]

乗った瞬間からそこはイタリア

 いや、誰にも邪魔されずに──と言ってしまうと、正確ではない。「乗った瞬間からそこはイタリア」というのが、アリタリア-イタリア航空のサービスコンセプトだ。そのサービスを満喫するには、陽気なキャビンクルーたちとのコミュニケーションもとても重要な要素になる。

 ご旅行ですか? ローマでのご滞在はどちらに? フライト中、クルーたちに何度も話しかけられた。みんなとにかく話し好きなのだ。日本路線には日本人機内通訳も2名が乗務いている。ローマでおすすめの最新スポットについて、あるいはイタリアの食やワインについて、いろいろ質問してみるとより会話も弾むだろう。

 ビジネスクラスとはいうものの、キャビンを見わたしてみると、旅行者風の人たちも少なくない。“ネットワークキャリア”を目指す他のヨーロッパ系エアラインでは、乗客の6、7割がそれぞれのハブ空港で乗り継いでヨーロッパの別の国・都市に向かうのに対し、アリタリア-イタリア航空の日本からの乗客はほぼ8割がイタリア1カ国だけを目的地としている。ファッションやデザイン、アート、音楽、グルメなどを楽しむことを目的に。

 そしてそれぞれが、目的地に着く前から機内で「イタリア」を満喫している。毎日1万2500余りのフライトを170カ国・900近い路線で運航しながら、アリタリア-イタリア航空はどの都市に飛ばすにも頑固なまでに独自のサービススタイルをくずさない。その最たる例が機内食である。

飛行機と空と旅 乗客に気さくに話しかけながらサービスに当たるキャビンクルーたち

一皿目のパスタ料理で早くも大満足

 アリタリア-イタリア航空では、イタリアの北から南まで地方色豊かな食材と料理が楽しめる「郷土料理シリーズ」を展開している。メニューは3カ月ごとの更新だ。

 パルマ産の生ハムや野菜のマリネなどの前菜に続いて、一皿目のパスタ料理がカートで運ばれてくる。メニューには「アスパラガスとズッキーニのオレッキエッテ・パスタをベーコンと赤ワイン風味で」と「マテーラ風カヴァテッリ・パスタ」の2種類。好みに応じてクルーが取り分けてくれる。両方ともトライしてみたい──そう私が言うと、クルーは2種類を皿にきれいに盛りつけてくれた。

 パスタを食べ終えると、いよいよメイン料理だ。肉料理または魚料理のどちらかを選択できる。私は「レモンとコリアンダー風味の魚のロースト」をオーダーした。他の乗客たちも、料理をひと口味わってはワイングラスに手を伸ばし、誰にともなく満足げにうなずいている。イタリアンスタイルはアリタリア-イタリア航空によって、まさに世界に運ばれているのだ。

飛行機と空と旅飛行機と空と旅
飛行機と空と旅飛行機と空と旅 前菜に始まり一皿目のパスタ、二皿目のメイン、デザートと続くフルコース(画像をクリックすると拡大します)

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