最近、「ブルーライト」をカットする機能を持ったメガネが人気だ。この青い光を浴び過ぎると眼精疲労の原因になったり、睡眠不足になったりということでPC作業用メガネとして注目を集めている(そもそもなぜブルーライトが眼に悪い影響を与えるのかについては、こちらの記事を参照してほしい)。
ブルーライトが大人の眼に悪い影響を与えるならば、子どもの眼にとってはどうなんだろう。最近の小学生はPCを使った授業もあるという。ということで、小学生の子どもを持つアイティメディア社員3人に、親子で1カ月ほどブルーライトカットメガネを使ってもらった。
子どもの反応はどうだったのか。親としてブルーライトカットメガネの気になる点も挙がったので、ブルーライトについて詳しい南青山アイクリニックの井手武副院長に質問してみた。
――みなさんに親子で1カ月ほどブルーライトカットメガネをかけてもらいましたが、いかがでしたか?
ヤマモト: 眼が疲れなくなるという効果はあるような気がする。うっすらと黄色いレンズなので1週間くらいは見える色の違いが気になったけど、そのあとは慣れてしまった。
ミツヤ: 私は普段から掛けているメガネとの付け替え派。ブルーライトカットメガネは会社に置いてあって、社内にいるときだけ掛けている。毎朝、掛け始めは違和感があるけど、そのうち慣れる。
ヤマモト: 確かにそれまで使っていたメガネに戻すと、色が全然違うね。
タナカ: いろいろと検証結果もあるみたいだし、思い込みかもしれないけれども効果はあるのだと思う。ブルーライトはLEDディスプレイから多く出ているとよく聞くけど、それ以外にも発生源はあるのか知りたいね。
ブルーライトとは、特別な光ではなく可視光線の中の青い色に見える光の波長です。虹を思い出してみてください。虹の赤色と逆のほうの青から紫色の部分がブルーライトに相当します。つまり、自然の中でも青い色に見える光はあります。LEDにはその波長がたくさん含まれているということです。スマートフォンやタブレット端末などの画面を単色表示してブルーライトを測定した結果もありますが、機種によるばらつきがあり一般化はまだできない段階です。
タナカ: ただ、ブルーライトカットメガネを掛けた状態では怖くて外が歩けない。メガネを掛けている人にとっては普通なのかもしれないけれども、とにかく慣れてないので、こんな風になるのかとびっくりした。
ヤマモト: 視界にフレームが入ってくることとかですか?
タナカ: それもあるけど、レンズの内側に隙間から入ってくる光だとか周りの景色が反射してクラクラするというか、普段使いするには疲れてしまった。やはり、ブルーライトカットメガネは限られた用途で使うものだと思う。そもそもブルーライトカットメガネを掛けるということは、本当に眼にとっていいことなんだろうか?
まだ多くの人数、長期の研究データはありません。またブルーライトをカットをしていたお子さんと、そうでないお子さんとで、どのくらい眼の健康に差が生じるかも分かっていません。しかし、理論的にはブルーライトを適切にカットすることは間違いではなく、大人では疲労や睡眠に良い影響を与えるという予備データも出始めています。また、「目を守る」という考え方が身に付くことは良いことだと思います。
――今回は、お子さんにもブルーライトカットメガネを使ってもらいましたが、どんなようすでしたか?
ヤマモト: うちの子(小5、男子)は、もともとメガネを掛けていたんだけど「このメガネ、かっこいい!」って喜んでた。ネイビーのフレームだと頭が良くなったように見えると興奮していたよ。「サッカーに行くのも掛けて行ってもいい?」って聞かれるくらい気に入っていたみたい。
ミツヤ: うちの子(小1、男子)も「かっこいい」だったな。「CMでやってるやつでしょ」って(笑) 友達が持っていないということもあって、学校に掛けていってもいいかって聞かれたけども、眼が悪いわけでもないし「伊達メガネ」を学校に持って行くのはどうだろうと思って、それはNGにした。
ヤマモト: それはあるね。学年が上がるとPCを使った授業も始まるけど、それ以外のシーンでは不用品のような気もするし。こういう普段の生活でブルーライトカットメガネを掛けるというのは、眼にとってどういう効果があるのだろうね。
昼間の教室の授業や体育では、ブルーライトカットメガネは必要ないと考えます。むしろ、屋外ではサッカーのヘディングなどメガネにモノがぶつかるようなことがなければ、紫外線防止のためのスポーツサングラスの使用をお勧めします。
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