「電動アシスト自転車」が売れている。自転車産業協会の自転車生産動態・輸出入統計によると、約900万台規模となる国内向け自転車市場(生産数量と輸入数量の合計値)はここ数年やや減少している中で、電動アシスト自転車のカテゴリは2000年度(約15万台)より年率約8%で堅調に伸びている。2014年度は約50万台規模(生産数量)まで成長するとみられている。
国内の電動アシスト自転車は、ヤマハ発動機、ブリヂストン、パナソニックの3社で9割以上を占めるという(*)。2008年12月の「電動アシスト比率の規制緩和」、東日本大震災や健康ブーム、ガソリン価格の高騰など、自転車の有用性が見直されていることを背景に、シニア層や子育てママ層の高い需要に加え、高校生(通学)、通勤男性、独身女性、ミドル主婦といった層にも需要が広がっている。
市場拡大のカギは、新規層獲得に向けた製品の拡充と年齢層別ニーズのカバー。自転車ブームの背景にはレーサータイプなどの趣味性の強いカテゴリの存在もあり、この層には電動アシストを不要とする意識はある。一方、そこまで本格的ではない、実用と徹底趣味の合間となる街乗りプラスαの用途はどうか。「通勤通学」「レジャー」の需要を満たす電動アシスト製品は意外となかった。ここに商機を見いだし、この層に向けた製品の拡充を各メーカーが取り組み始めている。
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