カッコいいルックスと使いやすいサイズ感――三菱RVR:岡崎宏司のクルマ DE トリップ
8年ぶりに復活した三菱RVR。クロスオーバーが続々登場している中で、“元祖”となる3代目RVRは乗用車とSUVとのクロスオーバーになった。先代とキャラクターに違いがあっても、違和感は見当たらない。
著者紹介:岡崎 宏司(オカザキ コウジ)
1940年東京生まれ。日本大学芸術学部放送学科卒業。文化的側面からクルマを斬る自動車評論家。輸入車がレアだった45年以上前に、「旅行に行くから」と言って借りた、父のノーマルのベンツでラリーに出場し、優勝したという、やんちゃな過去も。
※この記事は、LUXURY TVより転載しています。
三菱RVRの名が8年ぶりに復活しました。RVRは、いわば「クロスオーバー」の元祖的存在。1991年に誕生した初代RVRは、折からのRVブームにも乗って、人気モデルの地位を獲得しました。
初代、2代目が乗用車とミニバンのクロスオーバーだったのに対して、最新の3代目は乗用車とSUVのクロスオーバーであり、そのキャラクターは異なっています。
でも、「8年ぶりの復活」ということもあって、上記のようなキャラクターの違いと、RVRのネーミングの馴染みに違和感はありません。新型RVRのルックスはいい仕上がりです。僕の目にはとてもカッコよく見えます。
「ジェットファイターグリル」と名付けられたこのグリルはインパクトがあります。三菱車のデザイン上の大きな特徴です。
ヘッドライトやフォグライト、アルミホイールなどのデザインもよくまとまっています。ダイナミックですが嫌味はありません。
コンパクトながら、かなり押し出し感が強く、スポーティな印象の強い姿です。これといった特徴はありませんが、後ろ姿もよくまとまっています。
コンパクトなSUVですが、存在感も十分あります。キャビンも十分広いし、もちろん多用途性も十分です。
エンジンは1.8リットル4気筒で、CVTと組み合わされます。むろん、必要にして十分な動力性能は持っていますが、できれば、もう少しトルクに余裕のある、2リットルくらいのエンジンがほしい、というのが僕の率直な印象です。
1.8リットルにした主な理由は、たぶん優遇税制対策だと思います。ですから、いずれ2リットルエンジンが積まれることも十分考えられます。
後席はアップライトに座りますが、大人4人が楽に長距離をこなせる空間があります。大型のガラスサンルーフは気持ちのいいものですが、後席のヘッドクリアランスはややタイトになります。
インテリアの質感は価格的に見ればうなずけもしますが、「もう少し引き上げてほしい」というのが正直な印象です。
乗り心地もいいし、フットワークも粗さのない、しっかりしたものです。しかし、何よりも、カッコいいルックスと使いやすいサイズ感が新型RVRのいちばんの魅力のポイントだと思います。
(文&撮影:岡崎宏司)
関連記事
- 「クルマ・バイク」インデックス
- 「岡崎宏司のクルマ DE トリップ」
- フランクフルトのポルシェたち
いかにもデキそうなビジネスマンが、タイは着けたまま、スーツの上着だけ脱いで、ダーク系911のステアリングを握る……。相当、カッコいいです。 - 小手先だけのチューニングではない新型ゴルフR
自動車ジャーナリスト・岡崎宏司氏がフォルクスワーゲン「ゴルフR」をチェック。新型ゴルフRは、本格派のスポーツハッチです。 - ルックスの洗練度、インパクトはなかなか――ボルボ XC60
自動車ジャーナリスト・岡崎宏司氏が担当する本コラム。3回目のテーマは、デザインの洗練度を増したボルボ XC60。エクステリア&インテリアを中心に、その魅力を紹介します。 - GT-Rのハイスペックモデル「Spec V」に、一般道で乗ってみる
自動車ジャーナリスト・岡崎宏司氏のコラムがスタート。記念すべき、第一回目のテーマは「日産 GT-R」。その中でも、驚愕のスペックを誇る最強グレード「Spec V」の公道インプレッションをお伝えいたします。クルマのもつ世界観を独自の視点で撮影した写真にもご注目。
関連リンク
Copyright (c) 2014 PLOTS Inc. All Rights Reserved.